きれいに見えるコーディネートとは、素材や色合わせよりも「全体のシルエット」で決まる面が大きい。
確かにそうだ。かつては「肩パット」でやたら上半身を強調するスタイルが流行った時代もあったが、今は「バブル芸人」のネタにしかならないほど古臭いスタイルだ。よく流行は繰り返すというが、30年経っても色あせない古臭さが逆にすごいと思う。
「今時のシルエット」を知るためには、街行く人や、Wearやファッション雑誌に載っている人たちのコーディネートを見てみる。
「皆同じような格好をしているなー」と思ったら、それが「今時」のシルエット。
そして、洋服を買いに行けば、そのシルエットの服を作るための服が売られている。
ステキなシルエットでコーデを作る
「シルエットのテーマ」をはっきりさせてみる
ただ、年齢を重ねると、むやみやたらと「今時コーデ」を追っていると「若作り」に見えてしまう可能性がある。
大切なのは、今時コーデをすることではなく、「今日のコーデのテーマ」を決めることだ。
スカートに合うトップスなどを選ぶとき、色なども大切だが「シルエット」を意識すると「服で自分が何を表現したいのか」がはっきりする。
ファッション誌の活用方法はモデル気分で「理想」を描くこと
実は、50を過ぎるまで知らなかったことがある。
ファッション雑誌(Webの記事も)の活用方法だ。
これまではどんなふうにファッション雑誌とやらを買ったり、ネットでおしゃれな人のファッションを探していたのかというと、「どんな服を買うか」の参考にするためだった。
ファッション誌で紹介されている洋服は、概ね「お高い」。
(普通に見えるシャツ)23,000円、(きれいだがそんなに着ないであろう)スカートが56,000円…
さすがに、いくら興味を惹かれても、おしゃれに自信のない私がその金額を出す勇気はなかった。
が、その辺は私もバカではない(?)ので、「雑誌に載っているものに似た安い服」を探すためのヒント、として雑誌を活用していた。
これはこれで間違ってはいないだろう。
ただし、ファッション誌の活用の方法は、多分それだけではない。
ファッション誌では、お化粧しヘアセットしたモデルが、服を着て靴を履き、バッグを持ってカフェでお茶を飲んでいる。
正直なところ、カフェでお茶などどうでもよく、「このセーターがかわいい」「このスカートが素敵だ」と、服そのものにしか目が行っていなかった。
だが、本来の活用方法は、「カフェでお茶をするときに似合いそうな雰囲気」をチェックすることだ(と思う)。
モデルが着ているのと同じセーターを買うのではなく、自分がカフェでお茶するときにこんな雰囲気になりたいという、理想を描くためのヒントなのだ。
「素敵な服+素敵な服=素敵なコーデ」ではない。
「普通の服+普通の服=素敵なコーデ」になることもある。
ファッション誌は服単体ではなく、シチュエーションも含んだコーディネートを見ること。
服単体(点)ではなく、コーデ全体(線)を考えて買う
オシャレに自信のない人にありがちであるが、「定番の服」を買えば安心する傾向がある。
とりあえず白シャツを買えば、ボトムは何とかなるだろう。
黒いスカートなら、トップスは何でも合うだろう。
といった具合。
それなのに、何故かコーデに困ることが多かったのだ。
その理由の理由は…服を単体(点)でしか見ていないためだ。
服を買う時は、その服を着た時の「コーデ」まで含めて考えないといけない。
例えば、「花柄のトップスに合わせるボトムス」「黒いスカートに合わせるトップス」など、全体を「線」として考える。
例えば「黒いなんにでも合いそうなニット」を買うのが「点」、「あのお気に入りのスカートに合うトップス」を買うのが「線」。
なんにでも合いそうな服でも、何に合うのか考えて買わなければ、結局は何にも合わせにくいことになる。
自分だけのおしゃれコーデを作ってみる
おしゃれは足元から 足元からボトムスが決まる
「おしゃれは足元から」とよく言われるが、実はその意味についてもずっと勘違いしていた。
「おしゃれをするときは足元(靴)もきちんと手入れしよう」という意味での、靴屋さんの宣伝文句のようなものだと思っていたのだ。
もちろん、それも不正解ではないのだが、もう一つの考え方として「おしゃれをするとき(コーディネートを考える時)は靴から決めよう」という意味もある。
靴を選ぶとき、人は無意識に「自分のライフスタイルに合ったもの」を選ぶものらしい。
丸の内のOLさんならヒールを(今もそうなのかは知らないが勝手なイメージ)、小さい子を持つママさんは走りやすいスニーカーを、ローヒールが履きやすいがスニーカーでは仕事に行けないし…という人はバレエシューズやローファーを、という風に、靴は単に「かわいいから」「好きだから」ではなく「(自分にとって)動きやすい、履きやすい」から選ぶ人が多いらしい。(ヒールを履く幼稚園児ママさんもいるが、自分が履きやすければよいと思う)
まずは靴を決め、「靴に合うボトムス」→「ボトムスに合うトップス」→「トップスに合うアウターを」の順でコーディネートを考えるのが正解だという。
私が好きな「足元」は…
高いヒールは苦手、スニーカー、ローファー、ローヒールのサンダル、ブーツが最も履きやすい。
ボトムスからアウターまたはトップスが決まる
さて、私自身のテーマは「カジュアルフェミニンから品のある大人の女性へ」である。
このような靴と「大人っぽいエレガントなボトムス」を合わせるのは、ちょっと難しい。
膝丈くらいのスカートだと「子供女子風」になり、スリムなパンツだと「大人または子供男子風」になる。
私に合うボトムスは…
ーロング丈のプリーツ、フレアのスカートでエアリー感が少ないもの
ーロングのタイトスカート
ーワイド(イージー)パンツ
全体のシルエットを決める
ボトムが決まれば、全体のシルエットをどうまとめるかを考える。
ロングフレアスカートやワイドパンツは「シルエット4パターン」で言うところの「大」。
トップを小(ぴったりしたカットソーやシャツ)にすれば「きれい目」
トップを大(ゆったりしたトレーナーやビッグシャツ)にすれば「カジュアル」
ただし、私は太ってはいないが骨太で、骨格診断の「ナチュラル」に近い体系である。
このため、ぴったりしたトップスはかえって「ゴツく」見えてしまうこともある。
私に似合うトップスは…
「ゆとりを持った感じ」が一番きれいに見える。
重ね着が好きなので、コーデの仕上げはほぼ「羽織系」(真夏でも)。ミドルからロング丈のカーディガンを、とりあえずざっくり羽織って仕上げてみる。
トップスの色選びは明るめを意識する
トップスに関しては、顔映りにダイレクトに影響するため、色選びを慎重にする。
無敵なのは、レフ効果もある白や淡いグレーだ。
くすんでいる顔もキラキラシャイニーなふんいきになる。
濃い目の色を使うときは、白シャツをチラ見セするなどで、明るさを足している。
どうしても全体がダークになってしまったら、アクセサリーだけでも「白」を入れる。
年を重ねると、「白」が強い味方になる。
また、ピンクや赤は人間の肌色にも近く、ちょっとコーデに加えるだけで「おしゃれな人」の雰囲気を作り出されるので、赤のカーデなどを持っておくとアクセントにもなり、とても役立つ。