春夏秋冬の服は、春夏服を中心線にして揃えてみる

ファッション
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「着る」という簡単な作業で、自分の世界を大きく変えてくれる、服。
服と上手に付き合っていくために、「自分だけのクローゼットを作る」ことをめざしたい

自分だけのクローゼットとは、「自分が着る服、お気に入りの服、役に立つ服、自分をきれいに見せてくれる服」だけが収納されたクローゼットのこと。
着ない服、好きではない服、役に立たない服、きれいに見せてくれない服…を、収納しておくのは、場所も時間ももったいない。

服の数が増えてしまう大きな理由の一つは、日本には「四季」があるためだ。
そのため、どうしても気温に合わせた服が必要になる。
けれど、考え方次第では、すべての四季に忠実に合わせた服を持たなくてもよいのではないだろうか。

四季に忠実に? 季節ごとに服を揃える必要はアリ?

細かすぎて伝わらないくらいに季節に合わせた服を揃えてみると…

四季があると気持ちに変化をもたらしてくれるし、移ろいゆく季節が描く自然現象も美しく、満開の桜や真っ赤に色づいた紅葉を見るたびに「この国に生まれてよかった」と思う。

が、一方、およそ四半期ごとにライフスタイルを四季に合わせていかなければならないのは、ちょっぴり面倒なことでもある。
服の場合も、どうしても夏用、冬用が必要だ。

例えば、「定番で何にでも合わせやすいシンプルな黒いトップス」を季節に合わせて揃えようとするとこうなる。

  • とても寒い時用(もこもこしたローゲージニット)
  • 普通に寒い時用(薄手のハイゲージニット)
  • ちょっと寒い時用(厚手のカットソー)
  • 過ごしやすい季節用(薄手のカットソー)
  • 暑い日用(半袖)
  • とても暑い日用(ノースリーブ)

細かすぎて伝わらないくらいに、季節を意識しすぎてしまうと、服の数は際限なく増えていく。
これは極端な例…だと言いたいが、実は私が服の管理について真剣に考える前は、まさにこのような状態だった。
特に「とても寒い日用」の服は「ちょっと寒い日」には着ることは難しい。
黒のトップスだけで6着も持っていると、他の服を置く場所もないし、ちょっとおしゃれな色やデザインの服に挑戦する余裕もなくなっていく

これが、美しい四季が生み出す負の(?)側面の一つだ。

オールシーズン服を「中心線」にして四季をコーディネートしてみる

過ごしやすい季節の服を「中心線」にしてみる

服の数を抑えるために、オールシーズン着れる服だけでそろえることができれば楽だが、日本の極端な四季のため、完全なオールシーズン服は実際のところ難しい。

マレーシアを旅したことがあるのだが、その国では1年を通じてほぼ気温が一定であるため、時期に合わせて服をそろえる必要はない。衣替えをする必要もなく、きっとクローゼットの中もすっきりしていることだろう(想像だが)

だが、やり方次第では日本でも「季節を問わない」クローゼットも作れると思う。

四季と言っても、実際には「春」と「秋」は似たような気候なので、これを「中間期」としてみる。気温で言うと20~25度辺りで、いわゆる「過ごしやすい季節」だ。
この時期には、シャツ1枚に何かをプラスマイナスしながら過ごせる
実際には何月かというと…これは、地域によって違うが、私の住む土地の平均気温は以下の通りである。

10℃以下1月、2月 ←真冬
10~15℃3月、4月及び11月、12月 ←春秋cool
15~20℃4月、5月及び10月 ←中間期(春秋)
20~25℃5月、6月及び9月、10月 ←春秋cool
25℃以上7月、8月(6月、9月) ←真夏
※これはmionaの住む地域の平均をもとにしたもの

実際には同じ月でも、上旬、下旬で気温は違うし、異常気象も昨今では珍しくないのだが、こうやって見ると、確かに過ごしやすい季節は「シャツ1枚にプラスマイナス」の印象である

この中間期及び中間期前後、そして夏と冬の計3つに分けて、服を考えてみる。

春秋服をオールシーズン服として「基準」にする

まずは中間期。この時期の基本は、シャツ1枚にコットンなどのパンツかスカート
とはいえ、春秋のうちでも気温の幅は広く、個人差もあるので、状況に合わせて以下のようにする。
寒ければ→何か羽織る、インナーを暖かいものにする(ヒートテックなど)
暑ければ→袖を折り曲げる(それでも耐えられないくらい暑ければ夏服へ)

この「シャツ1枚スタイル(別にシャツでなくても春秋に自分が最もよく着用する服でよいが)」を中心線とする

私の住む地域では、春秋を中心とした季節が、1年のうちざっくりと8カ月、1年の3分の2も占めている。
つまりは、手持ちの服の3分の2(100着なら65着程度)は、オールシーズン着られる服を持つ。

そして、「さすがにそれでは暑すぎる、寒すぎる」という場合用の服を「少しだけ(計算上では残りの35着の2分の1ずつ。ただし、後述するが冬服は少なめでよい)持つ、という方法で考えてみる。

以下、私の中間服および中間服前後服のプランである。

  • TOPS
    • 長袖シャツ、カットソー(シャツのボタンのかけ方で温度調整や雰囲気づくりもできる)
    • 羽織ものとしてコットン、アクリルなどのカーディガン
      • 寒い時期はインナーにヒートテックなどを着る
  • BOTTOMS
    • ポリエステルまたはコットンのスカート、パンツ
      • mionaはスカート派だが、パンツの方が季節の変わり目に足元を考えずに着られる
      • ワイド系のパンツはスカートと似たコーデができる
  • SHOES
    • スニーカーなど(靴はそれほど季節を意識しなくてもOK)
    • 靴下は気温20~25度前後の時に活躍
    • 20℃を下回るとタイツ、ストッキング、レギンスを履いても。逆に暑い日は素足で。
  • OUTER
    • きちんとしたいときはジャケット、トレンチコート、ブルゾンなど
    • カジュアルにしたいとき、少しだけ出かけるときは、厚手カーデ、ストールが便利

色はベーシックカラーが基本だが、中間期の服は真夏、真冬でも着られることも多いので、流行の柄や形にもチャレンジしやすい

オールシーズンからの夏服

長袖シャツが暑すぎてしまう盛夏。真夏の時期は、1、2か月、長くて3カ月程度しかないので、あまりたくさん持たない方がよい…とは思うのだが、昨今の日本の夏は暑すぎる! 一応は「真夏に主に着る服」も持っておきたい。

半袖は10着あれば、1ヶ月3回、3ヶ月着ても10回程度しか着ない計算になるので、それで十分。
だが、半袖の上に何か羽織れば、もう少し長い期間着用できるし、冬にも「インナー」として半袖を着ることもできるので、バランスを見ながら。

  • トップス
    • 半袖が基本だが、日焼けと冷房対策を考慮し「羽織もの」は必須。シンプルなリネンシャツ、薄手のカーデは単体でも羽織でも着られて大変優秀が便利。ベーシックな色に加え、カラフルな色のものを自分のパーソナルカラーに合わせて持っておくと、夏の着こなしをきれいに見せてくれる。ロング丈のものをバッサリと羽織っても、短め羽織でアクセントをつけてもOK。
    • 半袖は、インナーとしても着られる「ぴったりぎみ」のデザインが便利。袖にボリュームがありすぎるもの、首が詰まりすぎているものは羽織ものとの相性があまりよくない。
    • 半袖の代表選手Tシャツは、薄手よりも肉厚できれい目の生地がベスト。カジュアルからセミフォーマルまでどんな場面でも着られる。黒(紺)、白(オフホワイト)に加えてボーダーやロゴTシャツもあると着こなしの幅が広がる。
    • また、5部袖あたりのゆるっとしたものを数枚持っておくと、年齢にも合うキレイスタイルに。
    • 胸元は開きすぎていたら下品に見えるが、詰まりすぎていると羽織とのバランスがとりにくい。首周りのデザインには気を付けよう
  • ボトムス
    • 風通しがよく、ボディラインも隠してくれる薄手生地のギャザー(フレア)ロングスカートが使いやすい。ゆったりとしたリネンやコットンのパンツも。色はネイビー、カーキ、明るいカラフルな色(ローズ、パープル、水色など)、白っぽいもの(薄いグレー、サンドベージュ、淡いピンクなど。
    • 薄手ボトムスは5、10月に着られるデザイン、素材のものだと長く着用できる。
  • ワンピース
    • ワンピースは気軽に着られて涼しくて夏にはぴったり。普段着ならコットンまたはリネンワンピースで、真夏以外は「ジレ風に」着こなせることも考えたデザインのものを選ぶと長く着られる。
    • だが、洗濯するときに嵩張り、扱いにくい面もあるため、2,3枚程度に収めた方がよい。キャミソールワンピースなら上手に体形も隠せて便利。
    • お出かけ用には少しドレッシーなものを2、3枚持っておくと、いざという時に迷わない。
  • 足元
    • サンダルに素足か薄手のソックス、スニーカーにソックス。ペディキュアで夏を演出しよう。

オールシーズンからの冬服…はほぼ不要⁈

真冬の服は「不要」というのが結論である(コート類は別)。というのは、ライフスタイルにもよるかもしれないが、少なくとも私は「室内では暖房をつけ、屋外に出る時はコートなどのアウターを着る」からである。
となると‥‥「暖房をつけた室内で過ごすための服」及び「アウター」だけを持てばよいことになる。

とはいえ、暖房をつけてもシャツ1枚にプラスアルファ程度では寒い。その場合は、インナーにヒートテックなどを着用する。まずは、このスタイルが基本である。

ただし、やはりニットは温かく、そしてかわいい
だから、私は「条件付き」で若干のニットは所有している。

長く着られる「ニット」の条件とは

  • 厚手すぎないこと(極力ハイゲージで、カシミヤなどの薄手)
  • もしくはウール100%よりもアクリルなど(晩秋から早春まで着られる)
  • プルオーバータイプではなく、前開きカーディガンタイプ(羽織として晩秋あたりから着用できる

そして、一番上に着るアウターは、極力暖かいもの(ダウンコート)。ダウンコートさえあれば、むしろ下着のみでも大丈夫ではないかと思うほどの、一人南国状態に浸れる。

TOPS・シャツ+インナー(ヒートテック)
・羽織(薄手ニットカーデ、カシミヤなどが軽くて暖かい)
 ※中間期用の厚手コットンやポリエステルも重宝
BOTTOMS・ワイドパンツ(ウールよりもポリエステル)+中にタイツかヒートテックレギンス
・ロングスカート(ポリエステルか若干集めのコットン)
 ※ボトムスも薄手の方が長く着られる(11月、4月にも着られるもの)
SHOES・外出時はサイドゴアブーツなど
・家では「あったかソックス」
※タイツを履くので靴下はほぼ履かない
OUTER・ダウンコートかウールコート
・気温が10度以上の時はトレンチコートか薄手のアウターにストール

冬は「インナー」で基本を作り、防寒バッチリのアウターを羽織れば、中間期の服をかなり着まわせる。
そういったことを意識すると、これまで各季節用に持っていた「黒いパンツ」はせいぜい2着くらいですみ、代わりに柄物、流行りものなどにも挑戦できるようになるので、「定番ばかりでおしゃれが楽しくない」という事態もなくなる。

黒スカートを着こなそう

黒スカートは1着持っていると色々と合わせやすい。
半袖のベーシックカラーのトップスに色カーデ、水色や赤などの鮮やかなトップス、ボーダーやドットでも。