年齢を重ねていくと、「自分自身」で勝負するのが難しくなってくる。肌も髪も衰え、どんなに美しい人であっても「10代、あるいは20代に見える」ことはほぼない(稀に年齢不詳の人もいるが)。
そして、肌や髪を若く美しく保つのは並大抵ではない。
素材が藤あや子さんやジュディオングさんであれば、話は少し違ってくるが、自分はひいき目に見ても「阿佐ヶ谷姉妹」である(彼女たちは十分きれいだが)
要するにお金も時間も手間も、そして素材も必要。
こんな自分ができる唯一の方法、それはもう「服」しか残されていない。
服は「買って着るだけの簡単な変身テクニック」。
年を重ねたら「服」に助けてもらおう。
きれいに見える服を着ると「きれいな服を着た人」になれる
「経験」から服を着る
年齢を重ねると、確かに見た目では若いコにはかなわない、かもしれない。
けれど、逆にファッションに対する「余裕」も出てくるかもしれない。
子育てが終わった人なら時間的余裕が。バリキャリ(と言うのは死語?)なら金銭的余裕が。そして何より、年齢による「経験的余裕」がある。
経験とは、これまでの成功体験と失敗体験から積み上げられた、自分だけのマニュアルのようなもの。
どんな服で失敗したのか、自分は何が似合って何が似合わないのか。
服に求めるテーマは何か。
そういうことが若い頃より明確になってくる。
もしも明確でなければ、よく着る服(着やすい)、似合っている服(なんか美人に見える)、逆に着なかったり似合わなかったりする服を書き出し、何故そう感じるのかを分析してみる。
結局は、自分のことは自分に聞く。似合うコーデは自分が一番知っているはず。
「きれいに見える服」は人それぞれ
お金をかければ誰でもきれいに見えるのではなく、プチプラの服でも「自分をきれいに見せる服」を選べばよい。
ただし、若い頃のように「流行りの服でも着とけばきれいに見える」状態ではなく、一人一人「自分がきれいに見える服」が違う。
そして、それを考えるのはちと面倒である…が、その面倒さを乗り越えれば、「買って着る」だけで、誰でも十分きれいでいられる。
実際にはきれいなのは「服」であっても、それが似合えば自分もついでにきれいに見える。
逆に言えば、「綺麗に見えない服」を着ると、ちょっともったいない。
もちろん、きれいに見せてくれなくても気に入っている服を着るのもよいが、鏡の前に立った時の感動が、前者と後者ではまるで違う。
普通の服を普通に着ない
若い頃には、流行りの服を着れば「おしゃれな人」に見えたが、年を重ねるにつれ「今の自分に似合う服」を着た方がきれいに見える。
「白い普通のTシャツ」を着ていると、「白い普通のTシャツを着ている女性」だったが、年齢が上がって普通の服を普通に着ていると…「ただのおばさん」である。
別にそれはそれでよいのだが、裏を返せば「きれいな服」もしくは「きれいな着こなし」をすれば、ただのおばさんではなく「キレイな服を着た女性」にもなりうるということだ。
「きれいな人」と褒められることはなくなっても、「きれいな服を着た人」と褒められれば、それで嬉しくなる。
若い頃であれば「かわいいね~その服」と言われるとがっかりしたものだが、年を重ねると、もはや服だけでも褒められることが名誉である(私だけかもしれないが)。
また、魔法のグッズ(メイクやヘアスタイル)があれば、かなり自分自身を「盛る」ことができる。
「盛る」と言っても、加工した写真のように、もはや原形をとどめていないような盛り方は、かなり個性的な人以外は難しい。
例えば、研ナオコさんなどの「盛る」テクニックは、むしろすがすがしいくらいであるが、それは研ナオコさんの「個性」だからよいのだ。
そういう意味の「盛る」ではなく、「きちんと丁寧に身だしなみを整える」ことで十分。
大切なことは一つだけ、キレイを死ぬまであきらめないこと。
パーソナルカラーに頼る
ほとんどのメーカーは「色違い」で同じアイテムを作っているため、色については悩む部分だ。
だが、自分のパーソナルカラーが「イエロー」か「ブルー」かがはっきりしていれば、自分が類する色味の服を買う方が間違いが少ない。コーデがとても上手な人や、どんな色でも着こなせる人は別だが、何だかんだと自分のパーソナルカラーでまとめた方が、きれいに見える。
特にトップスは、「似合わない」色を着こなすのは難しい。そのうえ、手持ちの服とも合わせにくい。
ここでは私のパーソナルカラー(ブルべ)から、似合う色をまとめてみる。
淡色 | 白、 オフホワイト、薄グレー、モカ |
濃色 | 黒より紺、茶(バーガンディ)、小豆色 |
暖色 | ピンク(淡いくすみピンクを選ぶときは青みが入っているもの)、赤、ラベンダー、パープル、ローズピンク、小豆色、レモンイエロー |
寒色 | 水色、青、濃い緑、薄いカーキ(緑) |
ほか | ボーダー、ストライプ |
- NG色
- 原色緑・黄色、カーキ、くすみカラー全般、ぼんやりした色も×
- ベージュを選ぶときは、薄い色より濃い目、普通のベージュではなくサンドベージュ
骨格診断に頼る
骨格診断とは、人の体系をムリヤリ「3種類(ストレート、ナチュラル、ウェーブ)」に分類し、自分がそのどこに類するかを診断するもの。自分の骨格似合う服を着るときれいに見える、というものだ。
たった3種類なんて強引な…という気もするが、何種類もあると迷ってしまうので、とりあえずは基本として自分がどれなのかを認識しておくと服が選びやすい。
私は残念なことに「ナチュラル」らしい。
なぜ残念かというと、ナチュラルタイプに似合う服はカジュアル、ゆったり、かっこいい…と、私の趣向にはあまり合わないからだ。私自身はウェーブさんに似合う、フェミニンで優し気な服が好きなのに。
が、確かに人生を振り返ってみると、ウェーブさん向けだとされている服を着ると「ごつく」見えることも多かった。逆にナチュラルタイプ向けの服は、周囲の誰よりもきれいに着ることができる。
私は痩せ型なのでとりあえず何でも服を着こなせるほうではあるが、骨格は体重とはあまり関係ないらしい。ここは自分が「ナチュラル」だと認識した方が「キレイ」には見えるだろう。
※実際のところ、服など何を着ても構わないと思うが、50を過ぎたオンナがキレイを目指すためには「きれいに見える服」を選んだ方が手っ取り早いと思う。
ナチュラルタイプの私であるが、色やデザイン、小物などでいくらでも「フェミニンで優し気」に見せる方法はある。そういうことをファッションの方向性として考えていこう。