年の暮れやはじめに、手帳売り場に行けば、ありとあらゆる手帳がそろっている。
その中でこれが一番おすすめ!という手帳は、おそらく存在しない。
ある人にとってはおすすめ手帳でも、別の人にとっては使いにくい。
過ごしている環境も生活リズムも違うのだから、それは当たり前。
手帳の選び方についても多くの視点があるが、特に「スケジュールの管理方法」で考えることは重要だ。
それは概ね「イヤーリー(年)」「マンスリー(月)」「ウィークリー(週)」「デイリー(日)」に分類できる。それぞれの時間単位で手帳を比べてみた。
マンスリー(月)にできること
マンスリーの良さと使いにくさ
マンスリーとは、1か月分が見開きで見ることができる、カレンダーと同じ形態のもの。
マンスリーは「パッと見てわかる」
「コンサートに行く」や「子供の運動会」など全体の予定が一目でわかる。
「後〇日で運動会、そろそろ体操服にゼッケンをつけなきゃ」といった感じで、「視覚的」に今すべきことがわかりやすい。
ただし、あくまで「ぼんやりとした感覚」になる。
書く欄が狭いので重要事項(イベントごと)が中心になる
マンスリーの最大のデメリットは、書く欄が狭いため、限られたことしか書けないこと。
となると、どうしても重要事項(イベントや忘れてはいけないことなど)を書くことになる。
重要事項しか書けないと時間管理が難しい!
大きなイベントがある場合でも、朝から晩までそれらの行事があることはまれ。「ライブに行く」のであれば、朝から夕方までの時間は空いているし、「運動会」であれば、夕方以降の予定が空く。
空き時間であっても、大切な時間には変わりない。
けれど、マンスリーには「ライブ」「運動会」くらいしか書く欄がなく、その前後を含めた1日の時間管理が難しい。
また、「忘れてはいけないこと」として「図書館の本の返却日」などがあるけれど、そのようなことは人生において、それほど重大な用事ではない。(借りた本は返さなくてはいけないが)
それなのに、優先順位が低い「予定」がしょっちゅう視界に入ってくると、もっと大切なことに集中できなくなることもある。
重要事項だけしか書いていないと、時間はあるはずなのに「1日中何も手につかない」状態になったりしがち。
時間管理を行うという目的では、マンスリーだけに頼るのはちょっと難しい。
手帳などを使うより、すぐに目につく壁掛けのカレンダーの方が使い勝手が良いこともある。
マンスリーはこんな風に使うのもアリ
マンスリーは、大まかな予定を書いておいたり、「運動会まであと何日かな?」という、ざっくりと俯瞰で考える時は役立つが、日々の生活を送るための時間管理は難しい。
それなら、「時間管理」ではないマンスリーの使い方を考えてみたい。
- 達成状況をチェック!
- 毎日1年間(月間)でやることを決め(1日10回腹筋をするなど)、できたらシールを張ったり横線で消したりする。
- 簡単日記に
- その日に簡単な「タイトル」をつけ、イラストも描いたりして日記風にする(マリトッツオ食べた日、エミュー脱走事件で子供の頃を思い出した日 など)→「簡単日記」は何もないはずの1日に彩りを与えてくれる。
- 記録用に
- 作った料理や読んだ本、観た映画などの記録をつける
- 体重の記録や体調管理などをメモしておく(経過等が一目でわかる)
- 目標の進行管理に
- 何らかのイベントの日に向けて、すべきことを書いていく。(例えば、資格試験の日から勉強するペースを逆算する、ハロウィーンパーティに向けての準備予定を書く)
デイリー(日)には何を書くか
デイリーの良さと使いにくさ
デイリータイプは、1日1ページ。日記なども書けるほどのスペースがある。
デイリーは何でも書ける
書くスペースが大きいので、1日の出来事はすべてその日のページに書くことができ、思いついたことからちょっとしたアイデアまで記しておける。
時間管理ではなく日記としてデイリーを使ってみる
デイリータイプは、「スケジュール帳」よりは「日記」に近い。
手帳を書くのが大好きで趣味にしている人、とにかく「書くことが好き」な人なら、上手に使えるだろう。
1日の記録を残して日々を大切に過ごしたいと考えるような人にもおすすめだ。
時間管理としては意外と使いにくい面も
「今日何をするか」「どんな1日だったか」と、日単位で管理したい場合はよいが、1週間単位などでスケジュールを考えたいときには使いにくい。
また、どうしてもページ数が多くなるので、持ち運びは多少不便。
デイリーはこんな風に使うのもアリ
デイリータイプはこんな活用法もある。
日々の記録を取る
- その日の献立の記録
- その日のファッションコーディネートの記録
- 読んだ本、観た映画の記録
- 使ったお金の記録(家計簿)
- デザインする
- イラストを描く
- 映画の半券やテーマパークの入場券などを貼ってアルバムのように使う
- アイデアをまとめる
- 仕事のアイデアをまとめる
- ブログネタを下書きする
ウィークリー(週)には何を書くか
ウィークリーの良さとマンスリー、デイリーとの比較
ウィークリーは、見開き(または片面)で1週間の予定を書けるタイプ。
古くから人間社会では、1週間が生活リズムになっている。
やりたいことがいくつかあった場合、1日ではできないことでも、7日あればどこかで実現できることもある。
時間管理を行う時は、1日をしっかり管理するのと同時に、ある程度の期間を同時に考え、ある程度俯瞰で管理することも必要だ。
例えば、「水曜日は忙しいから、火曜か木曜日に用事を済ませよう」「水曜日のイベントのために、前日だとギリギリなので月曜日に準備しよう」など。
この日一日をどう過ごす?
を書きやすいのがウィークリー。
※デイリーも同じような使い方ができるが、ウィークリーの方が箇条書きで書きやすい。
そういったことを考えると、ウイークリーは最も時間管理しやすいタイプと言えるかもしれない。
マンスリーとの比較
ウィークリーはマンスリーに比べて書くスペースが多いため、時間管理をしたいときは使いやすい。
例えば旅行のとき、待ち合わせ時間、持って行くものなどをメモしておくこともできるし、それとは別に『誰かの誕生日』といったちょっとした予定も書ける余裕がある。
ただし、最低限のスケジュールだけ管理したい場合や、日中は「仕事」と「アフターファイブ」しか予定がない場合は、むしろウィークリーは持てあますこともある。
デイリーとの比較
ウィークリーはデイリーに比べて書くスペースは少ないので、詳細な記録はつけにくい。
ただし、時間の流れをパッと見て把握しにくいデイリータイプより、「俯瞰での時間管理」がしやすい。
ウィークリータイプの2つの様式
ウィークリータイプは、実は大きく2つの様式がある。
縦型(バーチカル)
時間が上から下(水曜日あたりで区切られて2段になっている場合もある)に記載されているもの。
1日のスケジュールを埋めやすいのは、バーチカルタイプだ。
起床から睡眠までの全ての予定を、スケジュール帳の上から下に向かって書き込めるため、空き時間が一目瞭然でわかり、時間管理がしやすい。
横型(ホリゾンタル)
時間が左から右に記載されているもの。
使い方は縦型と同じだが、横書きの文字が書きにくいため、縦型タイプの方が書き込みやすい(長い文字を入れにくい)。
何時から何時まで、という書き方よりも、「何時間(2Hなど)」で表記したほうが分かりやすい。
縦型の良さは「1日のスケジュールを時間単位で組みやすい」ことだが、横型の良さは「1週間のスケジュールを俯瞰で見やすい」ことだ。
日によって、すべきことや作業量、家族の動向などが変わるため、「月曜は忙しいから水曜日に」という管理の仕方を考えたいなら、横型の方が使いやすい。
「Yearly」はどう使うか
手帳を買うと、「Yearly Plan」という、1年365日が見開き1ページに書かれた用紙が入っていることがある。これを有効活用している人もいるのだろうが、日常の予定はweeklyで、俯瞰で見たければMonthlyで、という使い方をしていると、Yearlyに何を書けばよいのか分からない。
書く欄も非常に小さく、例えば「運動会」などくらいの文字しか書けない。
そうすると、そのようなイベントごとを書くには使えるが、イベントは毎日発生するわけではないし、運動会と誰かの誕生日が重なったら、各スペースが足りない。
何とも使いにくい用紙だが、これを逆手にとって有効活用してみたい。
こんなに小さい欄に書けるものと言えば(所持している手帳では1日分のマスが約2㎝)、「数字」「記号」文字だと「5文字程度」。
そして、365日分…
となると、「365日継続する何か」が最も適しているのではないか。
例えば、語学学習、ダイエット(体重やカロリー)、ランニングなどをした日、読書をした日…自分が年間を通して毎日継続したいと思っているもの。
体重なら数字、何かをした日ならマークやシール、という方法で欄を埋めていく。
予定を書くだけでなく、そんな風に自由に使ってみたい。