日本は諸外国に比べて自炊信仰が高いと言われている。
朝食は定番であっても栄養バランスが取れたもの、昼は色とりどりのお弁当(手作り)、夜は汁物、副菜、主菜…と、毎食毎食きちんと用意するのが理想だと思われている節がある。
といっても、最近では、昭和時代に比べて調理器具も発達しているし、冷凍食品やお惣菜も充実しておいしくなっている。それでも面倒な時はテイクアウトでもOK。
ただ…食事は自分の今を、そして未来をつかさどっている。
それを考えると、やはり健康を考えた手作り料理が一番だ。そうなると、毎日料理を頑張るのは大変だから、いかに時短、手抜きするか、というのが、このブログのテーマである。
料理そのものも大変だが、「献立決め」も結構面倒な「見えない家事」。家族に「何がいい?」と聞いて「何でもいい」と答えられた時の苛立ちと言ったら!
ということで、「献立決めを楽にする方法」について考えてみたい。
おいしい! 飽きない! 楽々な献立決め
自分に合った献立の決め方を考える
一番簡単な献立決めの方法は、そもそも献立を考えないこと。つまり、毎日同じ献立にすれば「献立決め」の作業はなくなる。
ただし…同じ献立は飽きるのだ…私が。同じ店に何度も行くのでさえ「飽きた」と思うタイプなので、同じ献立は耐えられない。
次に簡単なのはスケジュールを決めること。例えば、月曜は肉料理、火曜日は魚料理、水曜はごはんもの…など。
この方法は1週間のスケジュールや食事を摂る人の人数が一定の場合は使いやすい。要するに「ルーティン化」ができる。
けれど、我が家のように、夕食を食べる人数が毎回違っていたり、買い物に行く日が特に決まっていなかったりする場合は、何となくやりにくい…と思っていた。
それに、たまたまスーパーに行ったら、良い魚が売っていたのにその日は「肉料理」の日だったりすると、かえって面倒になりそうな気もしていた。
そこで今私が行っているのは「とりあえずスーパーに行って適当なものをカゴに入れ、帰宅して材料を見ながらメニューを決める」というもの。
これも悪くはないが、疲れているときや頭がぼんやりしているときは、材料を眺めていても何も思い浮かばないこともある。また、「今食べたくないもの(例えばさっぱりしたものが食べたいのに、脂っこい献立とか)しか浮かばないことも。
献立をパターン化する
献立パターンをいくつも考えようとするから、頭の中に入っている膨大なレシピをうまく引っ張り出せずに、「献立決め疲れ」してしまうのだ。
ネットで「ナス レシピ」などと検索すると、ナスを使ったおすすめ料理150種類!などという結果が表示され、それを見る気すら失せてしまう。150個あっても自分が作りたい、食べたい、作れるレシピは、恐らく10個あるかどうかだ。
また、ある程度料理ができる人なら、頭の中に100以上のレシピが入っているかもしれない。が、毎回これらのデータを引っ張り出してきて献立を考えるのは面倒だ。
そこで、献立をカテゴリーに分けてみる。
曜日ごとの献立…からのアレンジ
さて、「曜日ごとの献立」は、家庭によっても難しいことがあるが、別に「月曜日は…」といった風に曜日で縛る必要はないのだ。
「魚料理の日」「肉料理の日」というタイトルをつけて、それを適当に自分の都合に合わせて割り振っていけばよい。
要するに献立パターンをいくつか考え、今日はどのパターンで料理しようかな、と決めればよい。
我が家では以下のように「3つの献立パターン」を作ってみた。
献立のパターンを主に3つに分けてみた
pattern 1 お肉の日
- お肉×野菜
- お肉と野菜がどちらもたっぷりとれる料理。お肉を多めにしたり少なめにしたりすることで、サブメニュー(後述)としても使える。肉(魚)を一つの鍋で調理したら完成する肉×野菜料理は、どんな肉や野菜を使ってどんなふうに調理しても、何となくそれなりの料理ができる。
- お肉メイン
- やはり時には「がっつり肉!」で心も体もエネルギーチャージしたい。
豚肉
- 豚肉×野菜
- 生姜焼き、味噌炒め(回鍋肉風)、塩コショー炒め(あっさり野菜炒め)、八宝菜風、キムチ炒、チャンプルー、酢豚、回鍋肉
- バラ肉と大根の煮物、肉じゃが
- しゃぶしゃぶ(冷しゃぶ)
- 豚メイン
- ソテー、ピカタ、トンカツ、スペアリブ、ポークチョップ
牛肉
- 牛肉×野菜
- 青椒肉絲、春雨炒め(チャプチェ風)、焼肉風(プルコギ)、すき焼き風
- 肉じゃが、シチュー、カレー
- 牛肉メイン
- ステーキ、焼肉
鶏肉
- 鶏肉×野菜
- 酢鶏風(豚肉と同じ作り方で鶏肉にもアレンジできるものが多い)
- 筑前煮、治部煮、手羽中×里芋(こっくり煮)、鶏手羽元さっぱり煮、トマト煮、レバー甘辛煮
- バンバンジー(酒蒸しサラダ)、マリネ(南蛮漬)
- 鶏肉メイン
- ソテー、チキンカツ、チキン南蛮、唐揚げ、ササミフライ、照焼チキン
ミンチの日
- 成型ミンチ
- ハンバーグ、ミートローフ、つみれ、しゅうまい、肉団子(甘酢あん、スープ煮、クリーム煮など)
- そぼろミンチ
- 麻婆豆腐、麻婆ナス、大根やカボチャのそぼろ煮
- ナス、白菜、キャベツ、トマト、ピーマン、キノコ類、豆腐、厚揚げと一緒に炒める
- ※味付けは甘辛、中華とろみ、麻婆風、キムチなど
漬けて焼くと楽
塩麴付け、マリネ、オイル漬けなど
pattern 2 お魚の日
魚は様々なよい効果があるので、数日おきに必ず魚メインの献立を考える。魚の場合はボリューム不足になりやすいので、副菜は「肉×野菜料理」の料理と組み合わせるとよい。
- 焼: 和風(塩焼き、ホイル焼き、西京焼、バター醬油、ゴマ風味、かば焼き)、洋風(ガーリックオリーブオイル、ムニエル、ポワレ、パン粉)
- 煮:煮つけ、味噌煮、おろし煮
- 蒸:紫蘇ロール、ワイン蒸し
- 揚:竜田揚、フライ、南蛮漬け(鯵、鯖)、エスカベシュ(鰯)
- 生:カルパッチョ、酢じめ、まぐろ丼、香味たたき
- えび:チリ、エビマヨ
- イカ :炒め物(他の野菜と)、煮物(ダイコン、サトイモなど)
- 魚×野菜
- 蒸:ホイル焼き、アクアパッツア、ちゃんちゃん焼き風
- 煮:あら炊き(ブリ大根)
- 南蛮漬け、野菜のあんかけ、たっぷり野菜のホイル焼き
pattern3 その他の日
- 上記に当てはまらないもの(ごはんものなど)
- 夏はご馳走サラダ(冷しゃぶ、蒸し鶏など)
- 冬はスープ煮、鍋、おでんなど
- 定番レシピをアレンジしたいときは
- →おいしいお出汁に頼って旨み増し
- →ガーリック、生姜、唐辛子で味に深み
- →カレー、ケチャップ、マヨネーズで洋風にアレンジ
- →トマトで酸味を出して減塩ヘルシーに
- ボリュームを出したいときは
- 豆腐、厚揚げ、卵などでかさ増し
サブメニュー(副菜)
主菜だけでは栄養バランスが悪い、食べにくい、飽きる、なんか足りない、見た目が寂しい…
そんな時の強い味方が、副菜である。
メインとのバランスを見ながら副菜を決める。たんぱく質が少ない場合は、卵や豆腐料理、野菜が少ない場合は具沢山サラダや汁物。汁物はメインで使わなかった食材を中心に入れる。
サブには2つのパターンがある。
サブ1(ボリュームたっぷり)
魚メインで塩焼きの場合などは、ボリュームのある副菜で。
1回に大量に作ると、メインとして、またつくりおきにも。
- かき揚げ、野菜の天ぷら風、甘辛煮(いも、大根)、煮浸し(大根、青菜)、ご馳走サラダ(温サラダ)、甘酢漬
- 卵料理:スパニッシュオムレツ、かに玉、いり卵風チャンプルー、炒り卵、ゴーヤチャンプルー、茶わん蒸し(大皿)
サブ2(ちょっと口直し、栄養補給に)
嵩増しというよりも、ちょこっとお口直しになるようなもの。ボリュームたっぷりのメインの時に欲しい、さっぱりヘルシー副菜。
- 茹でる、蒸すだけ
- ブロッコリー、カボチャ
- 豆腐・大豆製品で
- 揚げ出し豆腐風、豆腐ステーキ、照焼き、冷奴(豆腐サラダ)、厚揚げのトースター焼き
- さっぱり、すぐできる
- お酢で(キャベツ、大根、にんじん、ホウレンソウ)
- 酢の物、酢漬け、ナムル(ゴマ油、鶏がらスープ)、マリネ、ラぺ(にんじん など)、漬物風、なます
- 和える
- ドレッシング和え、キュウリのマヨ和え(ちくわ、シーチキンなど)
- 浸す(茹でるor焼くから出汁などに浸す)
- おひたし、野菜のだし浸し、焼き浸し
- 炒める、煮る
- ひじきの煮物、きんぴら(ごぼう、レンコン、ジャガイモ)、ピーマンとちくわ、ジャガイモ煮(ツナ、ミンチ)、ひじき(根菜と)
- 野菜の炊き合わせ、田舎煮
- お酢で(キャベツ、大根、にんじん、ホウレンソウ)
- サラダ
- キャベツ、レタス、大根、玉ねぎ、トマトなど一般的なサラダ野菜だけでなく、食べ応えのあるブロッコリー、ジャガイモ、水煮豆なども入れる)おいしいドレッシングを用意しよう!
- 日持ちサラダ:ポテトサラダ、コールスロー(キャベツの酢漬け)
- 焼き野菜(グリル焼き)
- フライパンでもオーブンでも、焼き目を薄っすらつけると美味。パプリカなど入れるとあら不思議、簡単おしゃれ料理に。ポン酢か焼き肉のたれで。
- パン粉をつけて焼いても。
- 他
- もずく
使いやすい野菜
炒め物なら
キャベツ、ニンジン、玉ねぎ、もやし、ピーマン、ナス、キノコ、長芋
サラダ風に使いやすい野菜
玉ねぎ、人参、大根、キャベツ、レタス、長芋
煮物に使いやすい野菜
大根、里芋、人参、レンコン
汁物で主菜をサポート!
汁物は、食事中の水分補給や固形物を食べやすくするという役目があるが、主菜に不足している栄養などを補ってくれる貴重なポジションだ。
添え物的な役目から、もはや主菜を食うほどの主役級の働きまで、汁物だからできるスゴ技がある。
メインだけで栄養やボリュームがある場合は黒子に徹する
簡単味噌汁(ワカメ、油揚げなど)やコンソメ(野菜千切り)、中華スープ(卵とじ、ワカメ)など
メインのボリュームが足りない時は、いっそ主役になっちゃう
とりあえず何でもぶち込んで「具沢山」と名前を付けるだけ(根菜、イモ類など入れればボリュームアップ
- (洋風)ポトフ:コンソメ、鶏肉、豚肉、ベーコン、ウインナーなど)、ロールキャベツ、
- (中華)肉だんご汁
- (和風)豚汁、具沢山味噌汁
お昼にも食べられる! The一品料理
ご飯もの
- カレー(ドライカレー、スープカレー、スパイスカレー)、ハヤシライス、ミートドリア
- 炊き込みご飯:シーフードバターピラフ、チキンライス、炊き込みご飯、ビビンバ
- 丼、混ぜご飯:親子丼、牛丼、海鮮丼、ちらし寿司、塩レモン豚丼
- 焼き飯(チャーハン)ほか:オムライス、中華だしの素、カレー味、コンソメ味
- ご飯もの(ガパオ風)
麺、その他
- パスタ(ナポリタン、ミートソース、鯖缶のペペロンチーノ、ミネストローネのペンネ)
- うどん(鍋焼き風、ぶっかけ風、焼うどん)
- 素麺(オクラ、トマト、シーチキンなど具沢山)
- お好み焼き
- 鍋物、ポトフ