手作りごはんでワンコ元気!
4㎏の小型犬の手作りごはんの量は?
- 一般的なワンコごはんの量の考え方
- 体重の2~3%は最低限必要とされる。(80~120g/日→2回の場合、40~60g)
- ざっくり「頭の帽子(目の真上まで深く帽子をかぶせる)」のイメージで
- ドッグフードの2倍をイメージ(30g/回なら60g※生の状態で)
- 「換算率」を使って量を計算してみる
- 基準となるのは、10㎏(1.00)の成犬(1)の場合、400g(1日の食事の量)。
- 8歳の小型犬の場合は
- ライフステージ「高齢期」の換算率(0.8)×4㎏の換算率(0.5)×400=160g/日
- これで様子を見て、量を増減するか、食材の配合を変えてみる。
- 食材が少ない方が消化吸収がよい。5~6種類。
最低限 | 活動量低い | 活動量普通 | 活動量多い |
198 | 238 | 277 | 317 |
手作りごはんの配合は?
配合
1群・炭水化物(穀類):2群・たんぱく質(魚肉豆):3群・野菜・海草
=1:1:0.5~1(毎食20g~程度) ※シニア、疾患持ちのわんちゃんはタンパク質を20%程度に。
- 肉または魚(週4~6は魚)1食1種類
- 野菜(旬の野菜1、ケアの野菜1~3、キノコ1、海草1)
栄養素は相互に働くため、食品の配合バランスが崩れると消化できずに便中に排泄される量が多くなる。
- フードを混ぜる場合の例
- 上記配合で手作りごはん40g、フード10g(フードのみ…75g/日、約37g/回)
夜と朝のごはん
夜フードでは脂肪分を抑え、消化吸収のよい栄養たっぷりのご飯を。
体の元をつくるタンパク質はしっかり摂ること。
必要な水分量
- 4㎏だと200g/日と言われる。
- 水分不足はよくないが、食事中に水分が多すぎると未消化のたんぱく質が増える。消化されていないとウンチが多くなる。
1群(穀類)炭水化物(三大栄養素)
- 穀類
- 玄米・発芽玄米:45種類の栄養素がほとんど揃う。栄養たっぷりにするには24時間常温の水に浸けるとよい。発芽玄米は、玄米を少し発芽させたもので食べやすく栄養吸収もよい。
- 麦
- 大麦:食物繊維が玄米の3倍、βグルガンも豊富。(もち性のものが「もち麦」。うるち麦より食物繊維が多い。押し麦は細かくしたもの)
- オーツ麦(オートミール/燕麦):食物繊維、ビタミンB1、鉄、カルシウムが多い。
- ハトムギ:たんぱく質、ビタミンB6が多い。体の中の水分や血液の代謝を促進、解毒作用がある。
- 雑穀(水の量は雑穀の重さの2倍)
- 全粒粉、とうもろこし
- サツマイモ
- 炭水化物、食物繊維、ビタミンC、カリウムが多い。体を温める効果も。シュウ酸が多いので皮をむいて茹でこぼす。
- そば
- 抗酸化作用があるがアレルギーに注意
- オートミール
- ミネラル、ビタミンの量は白米の9倍。生でも食べられるが火を通した方がベター。リンが多いので、週1、2回程度。4㎏なら40g。ヨーグルト30とオートミール10gで体調の悪い時に。豆乳でふやかしてもよい。
- オートミールクッキー:オートミール20gを細かく切り、豆乳25g(あれば油も)を入れて、180℃20分焼く。
- パンケーキ:オートミール10g、水20gを混ぜて5分置き、フライパンで片面2、3分ずつ焼く
- キヌア※主食にはなりにくい
- 水を含ませると膨らむので、水を含ませて5gほど。
お茶漬けのような水分多いごはんは消化が悪い。また、粘度が強いおかゆはすぐ空腹になる。
温性 | 平性 | 寒性 | 注意する部分 | |
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春・秋 | 2 | 6 | 2 | 春:肝臓(老廃物を排出する、目。軟便になりがちだが、デトックスの可能性が高い)春菊、セロリ、レタス、ゴボウなど 秋:肺、皮膚、気管(高温多湿から解放され、乾燥する。咳や便秘、皮膚の渇きなどに注意)山芋、里芋、キノコ、水分もたっぷり |
夏 | 1 | 6 | 3 | 梅雨:脾臓(湿気を摂る)トウモロコシ、モヤシなど余分な水分を排出。 夏:心臓(冷えた室内と暑い屋外との寒暖差で血管の収縮)青魚、かめりあオイル、シナモン |
冬 | 3 | 6 | 1 | 腎臓、耳(冷えで傷みが出やすい。血流の悪化で関節痛、腎機能の低下)水分排出(あずき、海藻)、体を温める(カボチャ、カブ、乾燥生姜、甘酒) |
2群(魚、豆類) たんぱく質(三大栄養素)
- 体内で栄養が作れないアミノ酸(たんぱく質)は必ず摂取しよう(必須アミノ酸、必須アミノ酸脂肪酸、必須アミノ酸ミネラル)。免疫力もつく。
- 体重1㎏あたり1.3~2.8gのたんぱく質が必要(4㎏の場合、5.2~11.2g)
- 肉類全般はリン(カルシウムと結合し歯や骨を作る)が多い。摂りすぎると腎臓に負担。
- 魚はたんぱく質少なめ ※大型の魚は水銀を蓄積しやすいので量に注意(生物凝縮)
- 低温調理で栄養を逃さないように。
- 温性、寒性ごちゃごちゃにすると、体の温度の上がり下がりが激しくなるので控える。
温性
- 鶏:ささみは特にたんぱく質、ビタミンBが豊富。胸肉。皮にも栄養があるので少し入れてもよい。
- 羊、鹿(赤身):体の体温調整を行う「腎」を補う。鹿肉は特に夏場は与えないこと)
- レバー(豚レバー):高たんぱく低脂肪でビタミンA、リンが豊富なので過剰症に注意 鶏レバーだと1g程度/日・週1、肉全体の30%まで。粘膜強化も。
- イワシ、サケ、鰹、アジ、太刀魚、カジキマグロ、ブリ、マグロ、アユ、ウナギ、アナゴ、ムール貝、赤貝、海老
平性
- 豚肉、牛肉
- 卵:全卵Mサイズ(366kcal/100g)は卵黄20g、卵白30g。卵黄には脂質も含まれる。完全栄養食だが、ビタミンCが不足。
- ウズラの卵:セレンの含まれている食材はガンを自滅させる
- イノシシ:良質のたんぱく質をはじめ、疲労回復や皮膚の健康、新陳代謝を促すビタミンB郡が豊富。カロリーも豚や牛肉に比べても低い。免疫強化にも。
- タラ、サンマ、サワラ、サンマ、サバ、カツオ、鯛、イカ、ヒラメ、カレイ、ウニ、クラゲ、アワビ、ホタテ、牡蠣
涼性
- 鴨、馬肉、牛タン、貝はほとんど涼性(しじみ)
食材 | 量(g) |
鶏(ムネ皮なし) | 23g/105kcal |
鶏(モモ皮なし) | 19g/113kcal |
鶏(ささみ) | 23g/98kcal |
豚ヒレ | 22g/118kcal |
豚もも | 20g/171※ |
豚ロース、カタ | 17~19/200~248 |
牛(ヒレ・モモ) | 20g/177kcal |
鹿 | 65~80(100) |
鶏、赤身魚、鮭 | 55~70(100) |
豚はヒレ以外脂身付きのデータ
食材 | 量(g) |
まぐろ | 26 |
鰹 | 25 |
鮭 | 22 |
鯖 | 20 |
タラ | 17 |
ブリ | 21 |
真鯛 | 20 |
鰆 | 20 |
鶏肉は炭水化物が少ない。
豚は複数のビタミン、ミネラルが含まれる。牛も同様だが、特に鉄分が多い。
肉類以外
- (平性)ヨーグルト、ナチュラルチーズ(発酵食品のにおいは大人気)
- (涼性)高野豆腐、豆乳、大豆、大豆たんぱく、納豆(不溶性食物繊維で粘膜強化)主食が足りない時のたんぱく質として
3群(野菜、海草)ビタミン等
- 免疫力を高める&腸内環境を整える
- 善玉菌の餌となる食物繊維と善玉菌が存在する発酵食品を毎日コツコツ摂る。善玉菌と悪玉菌は7:3が理想。
- 腸管は最も免疫細胞が多く存在している。一部の乳酸菌にはがんと闘うNK細胞を活性化させる働きがある。善玉菌を増やそう。
- 抗酸化物質
- リコピン、βカロチン、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEなどの抗酸化ビタミン
- 粘膜(特に腸粘膜)を強化して感染予防
- 相乗効果をしっておこう
- ビタミンC:ビタミンEの酸化を防ぐ
- ビタミンE:脂質の酸化を防ぐ
- 何かを与え続けるのではなくデトックスしよう
- 水分をしっかり与えて毒素を排出。
- 体内循環を整える(血液、リンパの流れ)
- 過食を控える。
- 肉・卵・牛乳などの乳製品をとりすぎると毒素が蓄積するので注意。
食物繊維をとろう
- 体に吸収されないので体から不要なものを排出する。栄養過多の場合は多めに摂り、逆に栄養不足の場合は動物性の食材を摂ろう。
- βグルガン(キノコ類、特にしいたけ、舞茸、干しシイタケ、しめじ、えのき、なめこアガリクス、冬虫夏草など)
- サプリメントを使うなら、乳酸菌系またはデトックス系(整腸剤や整腸作用のあるもの)
- 水溶性1:不溶性2~3の割合で摂るのがベスト。
食性バランスと効果
- 血流・体温UP
- 温性:かぼちゃ、大葉
- 平性:リンゴ、人参、朝鮮ニンジン、はちみつ
- 涼・寒性:れんこん、ごぼう、本くず粉
- 食物繊維
- 温性:カボチャ、まいたけ、マッシュルーム、大葉、カブ
- 平性:キノコ類、じゃがいも、スプラウト、ほうれん草、おくら、リンゴ、ニンジン、ブロッコリー、インゲンマメ、チアシード
- 涼・寒性:しめじ、寒天、モロヘイヤ、ひじき、レタス、青のり
- 抗酸化
- 温性:ニンジン、オクラ、リンゴ、ブロッコリー、パセリ、大葉、カボチャ、きんかん、納豆
- 平性:ニンジン、ブロッコリー、キャベツ、パプリカ、ブルーベリー、ラズベリー、クランベリー、レモン、ケール、ホウレンソウ
- 涼・寒性:大根、豆腐、トマト、もずく
- 粘膜強化
- 温性:まいたけ、バジル、パセリ、コリアンダー、アユ、マグロ切千大根
- 平性:サツマイモ、山芋、春菊、ピーマン、カリフラワー、オクラ、なめこ、ニンジン、キャベツ、ブルーベリー、リンゴ、小松菜、アスパラガス、チンゲン菜、里芋 、グリーンピース
- 寒性:胡瓜、アルファルファ、大根、モロヘイヤ、ゴボウセロリ、なす、わかめ、バナナ、キウイフルーツ、菊花
善玉菌が存在する発酵食品
- 温性:納豆、リンゴ酢、甘酒、かつお節
- 平性:ヨーグルト、カッテージチーズ
その他必要な栄養
トッピングに便利!
- かつお節:核酸、セレン
- めかぶ、昆布、海草、のり:核酸、粘膜強化、抗酸化
- いりこ:核酸※内臓はとる
- 生姜、シナモン:体を温める。寒い時期に。シナモンは毛細血管の老化防止や修復をする。
- 胡麻(すりごま)、黄な粉、あずき、くず:体を温めるくずは下痢の時にも。
- ごま油(風味付け)、醤油、味噌など:塩分 ※過剰にならないよう
- ターメリック、クコの実、干しエビ・さくらえび、きな粉、麻の実、にんにく(※にんにくはワンコの体に有害なので理由なく使わない):抗酸化
- 小魚:DHA、カルシウムなど
- 大葉:血液サラサラ、血行促進。亜鉛や鉄も含む。
- パセリ:腸の悪玉菌を減少。ビタミンC豊富。
- 小エビ:肝機能を高め、解毒作用を強化。老廃物を排出するキチン質/殻に豊富に含まれる。自然治癒力の強化、免疫力の活性化に有効。
- 豆類、豆腐
- ゴマ:活性酸素を除去。肝臓の働きを強化。ビタミンE、セサミノール/体の機能を強化、強力な抗酸化作用で活性酸素を除去する脂質/不飽和脂肪酸が豊富で血行促進、免疫力を高める。
不足しやすい栄養素
- カルシウム
- 一度に大量摂取しても吸収率が悪いので、毎回の食事に含む。ヨーグルト、カッテージチーズ、豆腐など。ワンコに必要なカルシウムの量は1日につき1kg当たり100~200mg/㎏程度→4㎏なら400~200mg ※煮干し1gは22㎎程度 1日10g程度なら問題ない。
- コリン
- 細胞膜の主成分や神経細胞の構成に必要な「レシチン」というリン脂質の材料になる。(卵黄、大豆)
- 銅
- 魚介類、肉類、豆類に多く含まれている。
- ビタミンD
- きのこや魚など。魚に含まれるビタミンDは吸収がよい。
- 亜鉛
- 免疫、生理機能、血糖値の調整まで様々な働きがある。
- 酵素
- 食べ物を吸収してエネルギーに変える。酵素不足の食事は体内酵素(もともと体内に存在する)で補い消化吸収するため、食物酵素は必ず必要。
- 核酸
- 癌細胞が好きな「デノボ合成」ではなく、苦手な「サルベージ合成」の拡散の割合を増やす。
- サプリ(DN8Plus/Dr.Noriko、馬プラセンタ/バサバ)
- サケの白子、フグの白子、ビール酵母、牛肉、いわし、豚肉、マグロ、牡蠣、大豆、椎茸など。
- セレン
- 癌を死滅させる(マグロ、イワシ、たらこ、タラ、、ワカサギ、全粒穀物)
- ポリフェノール(アントシアニンの一種)
- 黒米、ブルーベリー
脂質で免疫力をつける(三大栄養素)
- オイル 1日 小さじ1/2~1(2.3~4.6g) 9kcal/g
- ココナツオイル、えごま油、亜麻仁油、オリーブオイル、ごま油
- オメガ(ω)3タイプの多価不飽和脂肪酸
- 特にEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)など。がん細胞の成長や転移を抑制し、免疫力を増強、悪液質を改善する効果などがあると考えられている。
- 控えめに!オメガ(ω)6タイプの多価不飽和脂肪酸
- リノール酸、γ-リノレン酸など。がん細胞の成長と転移を助長する可能性がある。
わんこの健康チェックリスト
- 皮膚が伸びるか:伸びが悪ければ気が体内をめぐっていないので、体全体をマッサージ
- 手足を舐める(前重心になって前足の末端まで血が流れにくくなっている。
- 水を飲まない:体に余分な水が溜まっている(水毒)。鼻水や涙が止まらない時も。体の冷やしすぎに注意。
- シミが増えた:瘀血(体中にドロドロの血液が流れている)
- 目やに、涙やけはないか
- 鼻が乾いていないか
- 背骨の突起は適度にあるか
- しこりはないか
- 耳垢、ただれはないか(溜まっているときは腎臓の不調かも)
- 毛づや、毛並みはかさついたりベタベタしていないか、地肌は乾燥していないか(油不足かも)
- つめはかさついていないか(肝臓の不調かも)
- 下に白苔はついていないか。口内ケアを。
- おなかや股の皮膚は赤くないか。
- おしっこがキラキラしていないか(尿路結晶かも)、オレンジ色ではないか(膀胱炎かも)
- 老化のチェック!
- 寝ている時間が増えた
- ゆっくり歩く、起き上がるのに時間がかかる、遊ばなくなる
- 耳が聞こえにくくなる
- 目が見えにくくなる(モノにぶつかるなど)
- おもらし
- 抜け毛、皮膚の乾燥、イボができる
- 鼻が乾く
- 口臭が強くなる
- 体形が変わる、腰回りが細くなる
ワンちゃんが病気になっちゃったら…
- 副交感神経を優位にしよう
- マッサージ、散歩、おいしいごはん。
- 体を温めてリラックスしよう。
- 食事の回数は1回、量は少なめに
- 空腹の方が免疫力が高まるので、出来れば1日1食に。どうしても2回にする場合、脂質や炭水化物、たんぱく質などエネルギーになるものは1食で、もう1食は野菜などにする。量は少なめでよい。
- 活性酸素を出さないようにしよう
- 食事、環境、ストレスなどを気を付けよう
小型犬のわんちゃんは前に重心がかかりすぎる傾向がある。胸や肩のあたりをマッサージする。
体の冷えを確認する:皮膚をつまんで持ち上げたときにゆっくり戻る場合はむくみかも。後ろ足が冷たかったら水が溜まっている。
カラダにあった栄養素をとろう!
成犬のわんこは
- 糖質
- 脂質
- たんぱく
- ビタミンC
- ミネラル
病気になっちゃったら
- 葉酸
- ミネラル
- EPA・DHA
- ビタミンB6
- ビタミンB12