何もかも自分のイメージ通りの注文住宅を建てることができたら、インテリアに関する不満はないかもしれない。
けれど、実際のところ100%のインテリアはとても難しいもの。お金もかかるし、好みや流行も変わる。それに最初は満足していても、時が経つにつれて古臭く見えたり、飽きたりするのも事実。
そんな時はリフォーム!。
リフォームと言っても、家をほぼスケルトン状態にまで破壊して作りなおすものもあれば、「カーテンの色を変えた」という簡単なものまである。
さすがにスケルトン状態にするには、業者に施工してもらうことがほとんどだが、ちょっとした「お部屋の雰囲気を変えたい」「汚くなったところをきれいにしたい」といったリフォームであれば、DIYに挑戦してみたい。
ここでは、「そこら辺にいる普通の人(つまり、この文章の書き手の普通の主婦)」ができるDIYでのリフォームについてまとめてみた。
床の印象を変える
クッションフロアで床の雰囲気を変える
既存の床のフローリングをバリバリと剥がして、新しい床にする…といったリフォームは、素人の場合は業者に頼むのが一番!
けれど、そこまで大掛かりなリフォームではなく、ちょっと雰囲気を変えたいとか、賃貸の場合はクッションフロアが便利だ。
クッションフロアを玄関に使ってみた!
かつて(平成時代)住んでいた古いアパートは、玄関の扉がオレンジで、三和土(土間)の色が真っ赤という色調だった(建築が80年代半ばだったので、昭和時代は流行っていたのかも)
扉の色は、「オレンジを夕陽の色にたとえる」ことで温かみのあるコーディネートにすることに成功したが、そうすると逆に「赤い床」は温かみというよりも、薄汚れて沈んだ印象を与えることになってしまった…。
そこで玄関にグレーのコンクリート調のクッションフロアを。
レトロで雰囲気のある玄関が完成!
壁の雰囲気を変える
壁紙で高級感もおしゃれ感も!簡単に部屋の雰囲気が変わる
統計を取ったわけではないが、日本に存在する民家の壁の色は、9割以上が「白(またはそれに近い色)」ではないかと思う。分譲戸建てやマンション、賃貸マンション。注文住宅などでは、一部の壁の色を変えることもあるが、やはり圧倒的に「白」が多いのではないだろうか。
ちなみに、昭和52年くらいに建てられ、今は存在していない私の実家には、白壁はキッチンや洗面所等の一部のみだった。和室は砂壁、リビングはベージュ系の柄入り壁紙、そして私の個室は「木」だった。ちょっとしたログハウス風で、今となってはそれなりにおしゃれだったような気もするが、部屋が暗くなるし、画鋲が刺さらないため、時計などは「釘」でつけなくてはならないなど不便も多く、独身時代の私はまったく気にいっていなかった。
そんなわけで「白壁」に憧れた時代もあったのだが、世の中は白壁にあふれている。
壁は部屋の中でも大きな面積を占めるが、白壁はどんな床材にも合うし、部屋が広く明るく見えるし、どんなインテリアでもぴったりくる。清潔感もあり、飽きることがなく、白が人気なのは当然だ。
ただし、白壁は安い賃貸マンションから豪邸まで使われているので、下手するととても陳腐で平凡になり、白一色だとのっぺりした感じになる。
だが、だからこそインテリアを考える際に最も工夫できる部分。
多くの家に、そして我が家にもある「白壁」でおしゃれなインテリアを目指してみたい。
アクセントクロス(壁紙)で一部を変身
壁全体を白にするのではなく、壁の一部にアクセントクロスを貼ってみる。
そこだけ特別感が出て、やり方次第では高級ホテルのお部屋のようになったり、おしゃれな雰囲気を出せたりする。
といっても、業者に頼むとそれなりに費用もかかる…という場合や、賃貸などで壁をもとに戻さないといけない場合、失敗が怖い場合は、後で剥がせるようにしよう。
- 貼って剥がせる壁紙(またはリメイクシート)を使う。
- マスキングテープを使う
- 幅広タイプでアクセント的に一部だけ貼ったり、壁紙タイプで広い範囲のイメージを変えたりできる。
- 普通の壁紙を貼る場合も、面面にマスキングテープを貼った上にテープを貼ると、下地が剝がれない。(マスキングテープも跡が残る場合があるので、下地の素材を確認してから)また、長年貼りっぱなしにしておくと壁に張り付いてしまう恐れがあるので、時々交換する方がベター。
- 練り済み漆喰塗り壁 ベジタウォール(Vegeta WALL)
- はがせる壁紙用粉のり(スーパーフレスコイージー)は輸入壁紙(フリース)と相性抜群。
- カモ井加工紙 mtが充実している。
- 「オーガニックウォール」は赤ちゃんやペットにも優しい。
漆喰、珪藻土を塗る
ナチュラルなお部屋の雰囲気づくりや調湿に役立つ塗壁。業者に頼むこともできるが、自分で塗ることも可能なので挑戦したい。
珪藻土Proなど。フジワラ化学 プレミアムクリーンアップ珪藻土。
漆喰 | 珪藻土 | |
---|---|---|
主な原料 | 石灰 | 生物の堆積物 |
自硬性 | 空気中の二酸化炭素と反応して固まる | 乾燥しても崩れる(様々な物質を添加して使う) |
吸放湿性 | 普通 | 高い |
施工しやすさ、金額 | 普通 | 安い |
壁のアクセントは部屋全体の印象に合うように
壁に限らないが、おしゃれな部屋にするためにはイメージを統一することが大事。自分のイメージに合う壁紙を取り入れたい。
※水回り:トイレ、洗面所、キッチン
- コンクリート調
- 木造住宅でもインテリアはひんやりとしたコンクリート調に。
- 洗面所などの水回りに使うと清潔な雰囲気に。
- 石調(大理石風)
- 無機質でシックな雰囲気。こちらも水回りに。
- レンガ風
- キッチンに特におすすめ。ナチュラルな雰囲気に出来る。
- キッチンカウンターの腰壁にも。
- タイル風
- モザイク、ボーダー、美濃焼、つるつるした感じ、ざらざらした感じと種類が豊富。
- 水回り全般に。
- 和風なら陶器質の横長のものがモダン。
- 天然石パネル
- ビンテージタイルはアーリーアメリカン、レトロなカフェ風。
- 大理石調
- モザイクタイル、ラスティックアンティーク
- 塗り壁、漆喰風
- ナチュラルな雰囲気に。本物の漆喰を塗るという方法もある。
- 部屋全体に。
- 木目風
- ナチュラル、ホワイト、ダークなど様々な木目がある。無垢床の場合はチープさが目立つのでお勧めしない。天然木パネルは高級感がある。
- キッチンカウンターの腰壁、天井、キッチンの壁などに。
- 布、織物、リネン風
- ざっくりした布はナチュラル、和モダンに合う。
- 玄関や狭い壁に。
- 柄
- 花柄(ウィリアムモリス)、エスニック柄(モロッカン、コラベルタイル)など。
- 和風(麻の葉、Japaneseシリーズ)
- トイレ、クローゼット、子供部屋など狭い場所に。
- 色
- グレーやベージュの濃淡がおしゃれ。部屋に合う緑も落ち着く。
- 単色やシンプルな色だけでなく、くすみカラー、シャビー系、雲みたいなモヤっとした感じ、グラデーションなど、色だけでも雰囲気を出せる。
- 窓枠用リメイクシート
- ウッドワン 木目柄の棚板 木口テープ
- 木目マスキングテープ
タイルは一気に高級感が出る
壁はビニールクロスで仕上げられていることが多いが、最近はタイルや漆喰なども人気。高級感、ナチュラル感などを出すことができ、部屋の雰囲気をランクアップしてくれるのはもちろん、調湿、消臭などの効果もあるので、湿気が気になる場合などに。
壁に貼るタイル
- LIXIL エコカラット
- 壁にしっかり貼り付けるため、一度貼ったらリフォームしなおすのは困難。
- トイレ、洗面室、玄関などで効果を発揮。
- 調湿効果が感じられるようにするには、床面積の1/4以上に設置する。
- エコカラットプラスは高性能バージョン
- エコカラットセルフ
- 自分で取り付けられるパネル式のエコカラット。
- 複数のデザインと2種のサイズ(約210×60の縦長、90×90の正方形。厚みは約6.5㎝)
- さらりあーと
- エコカラットよりリーズナブル。業者の施工が必要。
- ハルカラット
- シールタイプで簡単に張り付けられる。壁紙の上からでも施工OK。
- ウォールデコッシュ
- お風呂にも貼れる防水タイル
D.I.Yタイル、DECOREシリーズ、美濃焼タイルシール:シールで張り付けられる。
何か飾る
何も飾っていない、ただの真っ白な壁は広く見えるかと思いきや、逆に狭く見えることも。
その理由は、壁が行き止まりを感じさせ、奥行きが感じられないから。
絵があれば「奥に何かあるのかも」と、多分能が勘違いするのだろう。窓が大きい部屋は広く見えるのと同じだ。
だから、壁には何か飾るのがオススメ。
絵、ポスター、掛け軸などを飾る
- 風景画、静物画、何でもよいので自分が気に入っている絵を飾ると、ぐっと「インテリア」感が増す。
- と言っても、別に画廊に行って絵を買ってくる必要はない。ポスターでもよいし、何ならネットで見つけた絵をプリントアウトして(大きい絵の場合は分割して複数枚印刷して)飾るだけでもよい。ただし、可能な限り「額縁」がある方が、インテリア感が出る。
- 絵をしょっちゅう架け替えたい場合はピクチャーレールを取り付けると架け替えが楽。
- 和風にしたいときは掛け軸でも。
- 沢山絵を買って来て全部飾る…というより、気に入った作品を一枚壁に飾り、そこを中心にデザインしていくと、まとまりがある感じになる。
鏡を飾る
- 欲しい場所に窓がない場合や窓から十分光が入らない場合は、鏡を窓の代わりに使っても。鏡を壁にかけ、窓から入ってくる光を反射できる角度に調整。もしくは思い切って大きな鏡を設置すると、部屋全体が広く見える。
- 割れない鏡(ミラーシール)が使いやすい。
- コツは、鏡に映るものを意識し、ごちゃごちゃしたものが映らない場所、角度を見つけてみる。窓や照明に向くようにすると、部屋が明るくなる効果も。「何が映るか」を十分チェックして鏡を取り付けることが大事。
ファブリックパネルを飾る
- 絵のセンスがないため、何を飾ってよいかわからない…という場合は、無地、あるいは柄の「ファブリックパネル」を飾っても。
- 小さめを3つほど並べるか、あるいは大きいのをドーンと1枚張ってもよい。
ウォールステッカーを貼る
- 壁に貼ってきれいにはがすことのできるウォールステッカーは、手軽に壁の雰囲気を変えることができる。種類が大変豊富で価格もお手ごろなので、まずはトイレなどの狭い場所から始めてみても。
- 目線が近い場所だとシール感が分かりやすいので、高い部分、離れた部分に貼る方がごまかせる。
- 本物の木を使ったウォールパネル、吸音パネルも便利。
布(ファブリック)を使う
- 布をソファにふわりとかけるだけで、部屋の雰囲気はがらりと変わる。ソファカバーを買うまでもなく、布屋に行けば手ごろな価格で布は手に入る。端部分はミシン掛けをするときれいだが、切りっぱなしでもよいし、ピンキングバサミで切ったり、横糸を数段抜いてフリンジにしても。
- 全体に使う自信がなければ、まずは小さな雑貨に取り入れたい。ティッシュケースや、置物の下にフェイスタオル大の布を敷くだけで、雰囲気はずいぶん変わる。
- 布を垂らしたり吊り下げる。
- のれんやカーテンを飾ると「奥に何かあるのかも」と錯覚させる。
- ハンカチ等を国旗を飾るみたいにひもを通してかけてみても。
「和」を演出するものを飾る
- 格子(縦格子も)の仕切りやドア
- 着物の布(和布)
- 麻の葉サークル
壁の小さなスペースや柱を飾る
- 柱にリメイクシート(柱がない場合はDIYで作っても)
リメイクシートで建具や家具のイメージを変える
カッティングシート(リアテックシート(サンゲツ)、リメイクシート)は、簡単にカットして好きな場所に貼れるシート。絵柄も豊富で、剥がしても跡が残らないので手軽(気になる場合は、シールを貼る場所にマスキングテープを貼っておくとよい)。壁紙は壁に貼るだけでなく、ドアやクローゼットの扉にも貼ることができる。
扉として目立たせたい場合は木目調などを選んだり、部屋を広く見せたい場合などは壁と同じような壁紙を貼ってみても。
香、光、音
照明
照明で雰囲気を出したいときは「間接照明」を使うとよいと言われている。
天井に大きな照明が一つあるよりは、複数の照明で部屋を照らした方が雰囲気が出る。
ホテルの部屋などはまさにそれだが、あくまでインテリアや見た目での話。部屋が暗くなったり、電気代が余計にかかったりというデメリットもある。
そこで、照明は調光を変えられるものを選びたい。明るさが欲しい時、雰囲気が欲しい時、寝る時に薄明かりが欲しい時…その時々に合わせて灯が調節できると便利だ。
香と音
インテリアというと目に入るものだけだと思われがちだが、「部屋全体の雰囲気」だと考えてみる。
例えば香り。アロマオイルやお香など、香りだけで部屋を女子っぽく、すっきりモダンに、シンプル無印風に、エスニックやリゾート風に演出してくれる。
また、音もインテリアの一部にしたい。
お部屋の雰囲気に合わせた「音楽」をかけてもよいが、水のせせらぎの音や小鳥のさえずり、風鈴や鈴の音などでお部屋の雰囲気を演出しても素敵だ。
キッチンのインテリア
「料理しているときに淋しくない」という理由で、選ぶのはカウンターキッチン一択なのだが、「リビングから丸見え」というデメリットもある。キッチンは作業所なので効率のよさが求められ、他の部屋のように「隠す収納テクニック」が使えない。このため、どうしても生活感が漂ってしまうのだ。
だからこそ、特にキッチンがリビング等から見えやすい場合は、インテリアを考えてみたい。
キッチンのイメージを作る
- 換気扇にリメイクシート
調理器具、キッチングッズの収納を考える
キッチンを自分好みに整えていると、料理が面倒な時にもやる気が出る。
しかし、キッチンのインテリアは難しい。
リビングなどであれば必要最低限のモノだけしか置かないとか、邪魔なものはとりあえず引き出しや箱に隠してしまうこともできる。
「センスのいいキッチンにする方法」はよく取り上げられている、これにはデメリットもある。
- おしゃれな入れ物に入れ替える → 入れ替えが面倒
- かわいいキッチングッズを置く → 結局、日常雑貨に埋もれる
- なるべく外に道具を出さないようにする → 作業の効率が落ちる
隠す収納のメリットは正直なところ「見た目」だけ。
逆に、どんなにかわいいキッチングッズを買い揃えても…あまりにも洗剤や食器、調理器具が出しっぱなしの状態だったら、かえってキッチンがゴチャゴチャする原因に。
食器を洗うスポンジから電子ジャーまで全部隠している収納も見かけるが、これは人によって向き不向きがあり、使いにくい」「効率的じゃない」と感じる人もいる。
また、「何をしまっていたのかを忘れる」「どこにあるか探すのが大変」となり、作業効率を考えるとデメリットも大きい。
「出していた方が使いやすい、作業がはかどる」と思ったものは厳選して「見せる収納」にするというバランスも大事だ。
色に気を配る
キッチンはただでさえ、家電や調味料などでゴチャゴチャしやすい。レンジや冷蔵庫などの家電を購入するときは色の統一には特に気をつけたい。
家電の色は基本的に、黒か白かは必ず用意されているので、このうちのどちらをベースにするかを決めるだけでよい(他の色にしたい場合もあるかもしれないが、すべてのメーカーで例えば赤や青が用意されているわけではないので、他の色をベースにすると選択肢が狭まる)
- 白か黒かだけのキッチンはすっきりはするので、「シンプル」を求める場合は家電等の色を揃え、できるだけその他の調理器具等は「隠す収納」にするだけでも何となく整った感じにはなる。
- ただし、リビングとつながっている場合は、何かしらリビングのテーマにつながるものをさりげなく置くと、全体の統一感が出る。
100均のDIY材料
- パイン板(ダイソー)40×6×12、40×15×9、40×12×9、40×9×9、60×12×6、40×6×1.2
- 棒(角、丸)(ダイソー)
- 箱(セリア)12×18×26ふたつき、25×23×34