インテリアの印象は1秒足らずで決まってしまう。
例えば飲食店などはインテリアを大切にしているが、「モノトーンな大人の感じ(バーなど)」「明るい(カフェなど)」「雑然としている(町のラーメン屋など)」「ポップ(チェーン店など)」という印象は一瞬だ。もしも「昼は簡単にラーメンで」と何げなく入ったラーメン屋さんが、高級感のあるようなダークな色合いで仕上げられていたら…「場違い?」「お高い?」「やめたといた方がいい?」などという思いが、部屋の印象と同時に湧き上がってくるだろう。
その時にどんな印象だったかと誰かに聞かれたら…「黒っぽい」「白っぽい」あるいは「ごちゃごちゃ」「木の感じ」など、色や雰囲気について答えるだろう。
特に色は、素材や質感よりも、全体の雰囲気を作り上げてしまう。
だから、色を意識してインテリアを考えてみたい。
インテリアの色の配分を決める
インテリアの色は3色に分類できる。( )内は理想だと言われている配分。
- ベース色(全体の70%)
- 壁、天井、床など広い部分に使われている色。一般的に白やベージュ、茶などが多い。
- メイン色(全体の25%)
- 次に大きな面積を占める色。家具、ソファ、カーテン、ラグなどの色。こちらもベース色と同じような色合い、あるいは思い切って自分のテーマにあった色を。お姫様系ならピンク、ナチュラルなら白、アジアンなら茶色、という風に。雑貨を買うときは、この色と合うかどうかを考えながらそろえると、整った感じになる。
- スパイス色(全体の5%)
- メイン色だけだとのっぺりした感じになるのでアクセントとして。この色が入ると部屋が俄然おしゃれに見える。メイン色の反対色(メインが緑なら赤)とか、逆に近似色(メインが緑なら黄緑とか)を選ぶとまとまりやすい。ただし、ベースとメインをどちらもナチュラルカラー(白やベージュ、茶色など)にした場合、スパイスもその系統の色にすると、のっぺりしすぎてしまうことがあるので、思い切って違う系統の色にしてみたい。
イメージ以外の色はできるだけなくす
部屋のカラーを決めても、部屋の中にはこの色とは違う色が存在していることがある。色が多少違っても同系色なら目立たないが、「ブルーとホワイト、それに茶色でまとめたインテリア」に「ピンク」などが混じっていると、せっかくのコーディネイトがちぐはぐに。
ピンクの雑貨なんて置いてない、と思っても、雑貨の一部に使われていたりすると、意外とそれが妙なアクセントになって、注目してしまうことがある。
そんなときは…思い切ってその色を見えなくする。上級者ならいろんな色が混じってもそれなりにまとめられるが、初心者ほど「このくらいいいや」と妥協しがちで、全体として見たときに「なんだかまとまってない…」という印象になってしまう。
見えなくする方法は、収納が一番手っ取り早い。無理な場合は「別の色のものに置き換える」「ペンキなどで塗ってしまう」「布で隠す」などの方法がある。
ただし、電化製品や備え付けの設備など、収納もできないし色も塗れない…というものもある。そんな場合は、その設備の色に合わせてインテリアの色を決めるというのも一つの方法だ。
一通り、色をそろえたら、写真に撮って見ると客観的に見ることができる。
家具の色を決める
家具のテイストにも、色、素材、質感などいろいろある。素材は、木、ガラス、金属、プラスチックなどが主だが、おそらく多くの家で最も多く使われているのは「木」だろう。
木材の素材についても高級なものからチープなどものまであるが、側で見ないとわからないこともある。だが、色は一瞬で部屋のムードを伝え、インテリアを大きく印象づける。
木の色は、白、ベージュ(薄茶色)、ブラウン(自然な茶色)、ダークブラウン(濃い茶色)に大きく分かれる。ナチュラルな木のインテリアの中にダークブラウンが混じっていたりすると、どこか落ち着かない。自分はどんなテイストが好きかを最初に考えて、テイストにあった色味の家具を買うようにする。
とはいえ、すでに何となく買ってテイストがそろわない家具がある場合もある。こういった場合は、同系色の家具をなるべくまとめて置く、ファブリックでごまかす、カッティングシートを張る、といった方法でなるべく「同系色」に近づける。
とはいえ、家具は新たに買いなおすのは難しいので、最初に色合いだけは決めておく方がベターだ。