料理の時短は下ごしらえが9割!とにかく作業時間を減らしたいから

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料理の時短を考える時、料理そのものではなく献立決め、食材の購入、盛り付け、後片付けまでひっくるめて考えなくては、本当の時短にはならない。

前回のブログでは「献立決め」と「食材の購入」の時短について考えてみたが、今回は料理に入るまでの「下ごしらえ」の時短について。

実は、料理そのものよりも、下ごしらえの方が時間がかかるという。
確かに、もしもすべての食材の下ごしらえが終わっていた状態で準備されていたら、後は加熱したり、調味料を加えたりするだけだ。
つまり、料理の過程の中でもっとも面倒で、かつ最も力を入れたほうがよい部分でもある。

調理の時短の2つの考え方~自分時間と時計の時間

下ごしらえを考える前に調理の時短とは何かについて考えてみたい。
調理の時短と一口に言っても、実は二つの考え方がある。
1.調理全体の時間を短くする(時計時間の時間)
2.調理の作業時間を短くする(作業時間の時短)

これは似ているようで実は違う。

時計時間の時短

時計時間の時短とは、調理を始めてから出来上がるまでの全体の時間を短くすること。これには、例えば「煮る時間」「漬け込む時間」など、自分自身は何もしなくても、必要になる時間も含まれる。

料理の時短、というと、こちらの話が多い気がする。
例えば、帰ってからすぐに料理に取り掛かり、家族に食べさせる場合や、平日はなかなかまとまった時間がとれない人にとって必要なのは、「玄関を開けてテーブルに食事を並べるまで、いかに短い時間で済ませられるか」だろう。
そんな人にとって、「煮込み料理」「3時間たれに漬けておく料理」などは難しい。もしもそれらの料理をするなら、別の時間(前日だとか週末だとか)を確保する必要がある。
例えば、15分、あるいは30分でできるメニュー、これが「時計時間の時短」だ。

作業時間の時短

作業時間の時短は、自分が作業する時間を短くすること。つまり、洗ったり切ったり炒めたりしている「実働作業時間」のことだ。
逆に言えば、自分が動いていない時間は含めない

例えば煮物など、自分がすることは「大きめに野菜を切る」「調味料と共に鍋に入れ、加熱する(加熱するのはコンロなので、自分はボタンを押すだけ)」くらいだ。
マリネなども、切って漬け込むだけ。
ただし、「煮込み時間」「食材に味が浸透する時間」などは必要になるので、全体の時間は長めになる。

例えば、専業主婦や私のように在宅ワークをしている場合は、昼下がりに「仕込み」を行い、調理時間は「焼くだけ」「温めるだけ」にする。
これが、作業時間の時短だ。

目指す時短料理の形とは?

まずは、自分がどちらの時短を目指すのか、自分のライフスタイルではどちらの時短の方がよいのかを理解しておきたい。
というのは、「時短料理」を紹介しているブログや動画でも、これらを混同して説明していることが多々あり、「これは自分にとっては時短にならない」ということもあるからだ。

私はとにかく「自分が作業したくない」という時短を目指しているので、基本的には作業時間の時短を考えている。
ただし、「時計時間の時短」の中には、「作業時間の時短」でも使えるテクニックも多いので、作業時間の時短をベースにした時計時間の時短といったところだろうか。

主菜と副菜を考える時の時短

献立バランスは栄養だけでなく時短も考える

凝った料理と簡単料理をセットに

凝ったものを何種類も作っていたら、時短は難しい。
多少手間がかかる料理(揚げた後に煮るなど工程が多い、食材が多い など)を主菜(または副菜)にする日は、副菜(または主菜)にも同様に手間がかかるものは作らない
「和えるだけ」「さっと炒めるだけ」の、出来るだけ手間や時間がかからないものにする。

肉&野菜でワンツーフィニッシュ!

肉と野菜(できるだけ種類を多く)を一つの鍋で一気に料理する料理だと、もはや副菜は不要である。
例えば、本来は単品である「チキンソテー」は、チキンと一緒にキノコやピーマン、トマト、オニオン…と、可能な限り多くの野菜と同時にフライパンにぶち込むと、それだけで彩り&栄養豊かで、しかも時短な料理の出来上がり。

まとめて作っておく

副菜は一度に多めに作る

副菜はホテルのビュッフェのように種類が色々とあれば嬉しいが、現実には毎日そんなにたくさん作ることは難しい。
だが、副菜の中には2、3日程度は冷蔵庫で十分日持ちするものが多いので、「3日分」くらいを一気に作る
副菜は毎日同じものが出ても、それほど気にならない。

副菜を日持ちさせるには…

下ごしらえの時短

まとめて切る

「切る作業」は意外と時間がかる。普段からよく使う野菜は、別の料理を作っているときに、とりあえず切っておくとよい。

切り方の例

  • 玉ねぎ
    • 薄切り(グラタン・牛丼など)、みじん切り(ミートソース・ハンバーグなど)、ざく切り(シチュー・肉じゃがなど)
  • にんじん
    • 細切り(副菜の煮物・スープなど)、みじん切り(ミートソース・ミネストローネなど)、乱切り(シチュー・肉じゃがなど)
  • ほうれん草、小松菜
    • 4~6cm幅のざく切り(お浸し、野菜炒めなど用)

ホームフリージング

ホームフリージングは、下ごしらえの強い味方だ。上手に使えば、日々の調理時間をぐっと減らせる。
基本的には買物は週2、3回程度しか行かない私にとって「フリージング」は欠かせないテクニックである。
テクニックと言っても、ただ冷凍庫に入れるだけだが…
とはいえ、最低限のフリージングテクニックはあるので、それをまとめてみた。

ホームフリージングテクニック! これだけは気をつけよう
  • フリージングしていることを忘れない
    • 多分、これが最も大事。せっかく冷凍保存しても、それを忘れてしまっては全く意味がない。冷凍したら「紙に書いて壁に貼っておく」など、見えるところに書いておく方がよい(我が家はIHコンロの前の壁が資格になっており、かつマグネットが使えるため、そこに貼っている。
  • 冷凍庫の収納できる量には限度がある
    • 可能な限り冷凍保存しておきたいところだが、そもそも入りきらないこともある。
  • 早め(1ヶ月以内)に使う
    • 家庭の冷凍庫は「冷蔵庫よりも日持ちする」くらいの感覚で。
  • 材料は小分けして、なるべく薄く包む
    • 肉など、パックごと冷凍すると、一部だけ使いたいときに凍ったままでは切れないことがあるし。また、冷凍や解凍にも時間がかかるため、「1回で使うであろう量」に小分けした方がよい。
  • 急速冷凍を目指す
    • ホームフリージングといわゆる冷凍食品の違いの一つは、冷凍にかける時間だとか。家庭で瞬間冷凍をするのは難しいが、できるだけ早く凍らせたい。冷凍するものは「金属製のトレイ」に乗せて凍らせる
  • 水分はできるだけとる
    • 水分は霜の原因となり、霜によって食品が乾燥する。解凍時には肉汁などが流出するため、キッチンペーパーなどで拭き取る
  • 密閉する
    • 空気が入って酸化ないよう、ラップとジップロックの二重包装にする。
  • ラベルをつけて立てて置く
    • 冷凍庫を開けたときに一目で分かるよう、ジップロックの上に食材名を書く(日付も書くとベター)。※ジップロックの中に厚紙などを入れ、ファイルたてなどを冷凍庫内に置くと、自立しやすい。
  • 素材に合った解凍法を知っておく
    • 肉は全解凍、魚は8分解凍(冷蔵庫で時間をかけて)。野菜は凍ったまま調理。一度解凍した物は使い切る。

肉、魚は概ね上記のことに留意してフリージングする。基本的には焼いたり煮たりし、味をつけて調理することがほとんどなので、フリージングしてもそれほど触感等は気にならない。

野菜については、食材によって大きく触感が変わったり、調理法が限られる(葉物野菜をサラダとして食べるのは難しいなど)があるので、少しテクニックが必要かもしれない。
とはいえ、基本的には洗って水けをとり、使いやすい大きさにカットし、そのまま冷凍すれば、大体何でもOK。使う時には凍ったまま調理するが、そのまま使うと食感が気になることもあるので、加熱する料理に使う方がベター。

野菜のフリージングで特に気をつけたいこと