長く女を生きてきて、恐らく購入した服の数は500~1000枚に至るだろう。実際に数えたことはないのでざっくり過ぎる数字だが、自分で服を買うようになった年月と、年間に購入していたであろう服の数を掛け合わせると、大体この辺なのではないかと思う数字である。
服を買って失敗したと思ったこと
服を買って大正解だったこともあるが、半分くらいは「失敗」「ちょっと失敗」だった気がする。
まずは、服を買って「失敗した」と思ったことについて。
- 似たような服を既に持っていた
- どうしても好みの服や必要な服は偏ってしまうので、一生懸命選んだ素敵な服であっても、家に帰ってクローゼットに収納したときに「同じようなのがあった」と気づくことも。
- 着る機会があまりなかった
- というより、高い服を買って「もったいないから大切に着よう」と思うあまり、ほとんど着ないうちに劣化、あるいは流行遅れになってしまったこともある。
- サイズが合わない
- もちろんサイズはきちんと見て買っているのだが、特にボトムスの場合は思っていたよりも大きく、ずり落ちてくることがよくある。
- イマイチなシルエットだった
- 何だかきれいに見えない。
- 極端に「着る季節」を選ぶ
- 真夏のみ、真冬のみしか着れないと、1シーズンに2回くらいしか着ないことも。
- 顔色がくすむ、ぼんやりする
- モスグリーンやカーキ、オレンジやサーモンピンクも色としては好きなので、それらの色の服を買うこともあったが、これらの服は顔色を悪く見せたり、何だかぼんやり見せる。
後に、自分が好んでいた色はいわゆる「イエローベース」で、自分は「ブルーベース」だったことを知る。
実は、「イエベ」「ブルべ」などという分類が今ほどメジャーではない頃、「色彩の専門家」のお話を聞く機会があり、言葉と意味だけは知っていた。だが、自分がどちらに当たるのか、そしてくすんだ色合いが似合わない理由をずっとわからなかったのだ…。
- モスグリーンやカーキ、オレンジやサーモンピンクも色としては好きなので、それらの色の服を買うこともあったが、これらの服は顔色を悪く見せたり、何だかぼんやり見せる。
服を買う前に決めること
失敗は成功のもと、服を買う時に「今買おうとしている服は本当に自分を輝かせる服か」を落ち着いて考えたい。
そのためのチェックリストを作ってみた。
服を買う時期を決めておこう
服は春夏秋冬、いつでも売っているが、「服を買うこと」そのものが目的ではなく、「自分をきれいに見せ、最高の気分にしてくれる服を着ること」が目的であれば、買う時期は決めておいた方がよい。
「買い時」は、基本的には新しい季節に入る頃。
春服なら3月、4月、夏服は5月~7月、秋服は10月、11月、冬服は11月、12月といった感じに(地域によって異なる)。
こうやって見ると、結局はほとんどの時期に服を買い、買わない時期の方が少なく見える。
「買わない時期」はよく見ると「バーゲンの時期」である。若い頃はバーゲンこそ服を買う時期だと思い、張り切って買いに行っていたのだが、結局着る期間も短くなるし、「何か買わなきゃ」と余計なものを購入することも多かった。バーゲンでは「何かあればラッキー」くらいの気持ちで、本当に欲しいものは定価で手に入れた方が、長い目で見ると得なこともある。
※とはいえ、今でもバーゲンで買うことはある。上記の「買い時」に忙しくて買い物ができず、とりあえずバーゲンに行ったら思わぬ「掘り出し物」があることもあるからだ。
シチュエーションを考えよう
どんなに素敵な服、素敵なコーデを考えても「着る機会がない」こともある。
なぜ、その服が欲しいのか。その服を着て何をしたいのか。つまり「着るシーン」を想定して、コーディネートを考えてみる。
例えば…
- ○○さん(友人)とランチに行く時のコーデを決めたい
- ベージュのギャザースカートを着て、美術館で開催されている「ユトリロ展」に行きたいので、それに合わせる綺麗めカットソーがほしい
- デニムのロングスカートを年相応にエレガント風に着こなせして、ワンコとカフェに行きたい
- 流行のイタリアンレストランで友人Aちゃんとランチするときに着る服が欲しい
未来の自分をあれこれ着せ替えしてみる…つまりはシチュエーションをできるだけ具体的に考えてみる。
着る季節を想定してみよう
お気に入りの服はできるだけ長く着たいので、着られる季節が極端に限定されるものは避ける。
薄手なら5〜10月に着られるもの。
厚手なら11月と4月に着られるもの。
これを想定すると、案外長く着られる。
素材だけでなく、色についてもある程度は「オーソドックスなもの」を選ぶとよいが、そればかりになってしまうと逆に着こなしが難しいため、着る季節が長いものについては、少し色や柄で挑戦してみる。
手持ちの服を見直そう
結構失敗しやすいが、同じ人物が選ぶと、どうしても同じようなものを購入しがち。
同じ基準で見てしまうから仕方がない。
だから、買う前には
・同じような色のトップス(あるはボトムス)はなかったか
・同じような形のトップス(あるはボトムス)はなかったか
など、手持ちの服と色やテイストがかぶっていないかを改めて確認してみる。
自分のファッション傾向を再確認してみよう
若い頃なら色々な服に挑戦したいし、若さゆえに着こなせることもある。だが、年齢を重ねた自分を最も輝かせることができるのは、やはり「自分に似合う服」なのだ。
だから、自分が好きな雰囲気を再確認すると同時に、似合う服についても客観的に知っておきたい。
服単体(点)ではなく、コーデ全体(線)を考えよう
オシャレに自信のない人にありがちであるが、「定番の服」を買えば安心する傾向がある。
とりあえず白シャツを買えば、ボトムは何とかなるだろう。
黒いスカートなら、トップスは何でも合うだろう。
といった具合。
それなのに、何故かコーデに困ることが多い。
その理由の理由は…服を単体(点)でしか見ていないためだ。
服を買う時は、その服を着た時の「コーデ」まで含めて考えないといけない。
例えば、「花柄のトップスに合わせるボトムス」「黒いスカートに合わせるトップス」など、全体を「線」として考える。
例えば「黒いなんにでも合いそうなニット」を買うのが「点」、「あのお気に入りのスカートに合うトップス」を買うのが「線」。
なんにでも合いそうな服でも、何に合うのか考えて買わなければ、結局は何にも合わせにくいことになる。
「シルエットのテーマ」をはっきりさせよう
きれいに見えるコーディネートとは、素材や色合わせよりも「全体のシルエット」で決まる面が大きい、と言われる。
確かにそうだ。かつては「肩パット」でやたら上半身を強調するスタイルが流行った時代もあったが、今は「バブル芸人」のネタにしかならないほど古臭いスタイルだ。よく流行は繰り返すというが、30年経っても色あせない古臭さが逆にすごいと思う。
「今時のシルエット」を知るためには、街行く人や、Wearやファッション雑誌に載っている人たちのコーディネートを見てみる。コーデを考えるために、ファッション雑誌、アパレルのサイトのLook Bookをチェックしたり、ファッション関連のYoutubeやインスタを見るのも一つの方法。
「皆同じような格好をしているなー」と思ったら、それが「今時」のシルエット。
そして、洋服を買いに行けば、そのシルエットの服を作るための服が売られている。
ただ、年齢を重ねると、むやみやたらと「今時コーデ」を追っていると「若作り」に見えてしまう可能性がある。
大切なのは、今時コーデをすることではなく、「自分のコーデのテーマ」を決めることだ。
それではようやくお買い物へGO!
ボトムスを決める
ボトムスは「足元」に合うものを
「なりたい自分」が決まったら、ようやくお買い物へ!
だが、具体的には星の数ほどもあるアイテムの中から、具体的に何を買えばよいのか悩んでしまう。
実は、コーディネートは「足元から」決めるとうまくいくという。
「おしゃれは足元から」とよく言われるが、実はその意味についてもずっと勘違いしていた。
「おしゃれをするときは足元(靴)もきちんと手入れしよう」という意味での、靴屋さんの宣伝文句のようなものだと思っていたのだ。
もちろん、それも不正解ではないのだが、もう一つの考え方として「おしゃれをするとき(コーディネートを考える時)は靴から決めよう」という意味もある。
靴を選ぶとき、人は無意識に「自分のライフスタイルに合ったもの」を選ぶものらしい。
丸の内のOLさんならヒールを(実際はそうなのかは知らないが勝手なイメージ)、小さい子を持つママさんは走りやすいスニーカーを、ローヒールが履きやすいがスニーカーでは仕事に行けないし…という人はバレエシューズやローファーを、という風に。
靴は単に「かわいいから」「好きだから」ではなく「(自分にとって)動きやすい、履きやすい」から選ぶ人が多いらしい。(ヒールを履く幼稚園児ママさんもいるが、自分が履きやすければよいと思う)
まずは靴を決め、「靴に合うボトムス」→「ボトムスに合うトップス」→「トップスに合うアウターを」の順でコーディネートを考えるのが正解だという。
私が好きな「足元」は…
高いヒールは苦手、スニーカー、ローファー、ローヒールのサンダル、ブーツが最も履きやすい。
つまりは、それらの靴が合うボトムスを決めるのが正解、ということ。
さて、私自身のテーマは「カジュアルフェミニンから品のある大人の女性へ」である。
このような靴と「大人っぽいエレガントなボトムス」を合わせるのは、ちょっと難しい。
膝丈くらいのスカートだと「子供女子風」になり、スリムなパンツだと「大人または子供男子風」になる。
ということは…
私に合うボトムスは…
ーロング丈のプリーツ、フレアのスカートでエアリー感が少ないもの
ーロングのタイトスカート
ーワイド(イージー)パンツ
手持ちの服の「ボトムス」をチェックしよう
今着たいボトムスを全部取り出して、数が足りなさそうとか、何だかシルエットが古いなとか、今の体型には合わないとか、今のライフスタイルに合うものが欲しいと思ったら、買う。
これまでの経験から、自分が着やすく、体型をきれいに見せてくれるボトムスを選んでいく。
トップスを決める
シルエットを決める
ボトムスが決まったら次はトップスである。
トップス、アウターは、上記で選んだものとコーデで着るものを選ぶ。
というのは当たり前のように思えるが、実は長年、単に「このトップス、かわいい!」と単純に飛びつき、全体のコーデやどのボトムスに合うかなど考えずに買っていた時期もある。
例えば、「黒なら何でも合うから」という理由で、「とりあえず黒のトップス」などを迷いもせずに購入していたが、実際には手持ちのボトムスでしっくりくるものがない、コーデの幅が狭い、といったケースも多かった。
裏を返せば「このスカートに合うシャツ」「このコーデをするための服」という発想で買うと間違いがないのだ。
まずは全体のシルエットをどうまとめるかを考える。
ということは…
私に似合うトップスは…
私が着たい「ロングフレアスカート」や「ワイドパンツ」は「シルエット4パターン」で言うところの「大」。
トップを小(ぴったりしたカットソーやシャツ)にすれば「きれい目」
トップを大(ゆったりしたトレーナーやビッグシャツ)にすれば「カジュアル」
というコーデを楽しめる。
ただし、私は太ってはいないが骨太で、骨格診断の「ナチュラル」に近い体型である。
このため、ぴったりしたトップスはかえって「ゴツく」見えてしまうこともある。
だから「ゆとりを持った感じ」が一番きれいに見える。
重ね着が好きなので、コーデの仕上げはほぼ「羽織系」(真夏でも)。ミドルからロング丈のカーディガンを、とりあえずざっくり羽織って仕上げてみたい。
トップスの色を決める
トップスに関しては、顔映りにダイレクトに影響するため、色選びを慎重にする。
ここは自分のパーソナルカラーを知って、素直にそれらの色から選ぶのが最も無難できれいに見える。
ということは…
私のパーソナルカラー(ブルべ)から、似合う色をまとめてみる。
淡色 | 白、 オフホワイト、薄グレー、モカ ベージュを選ぶときは、薄い色より濃い目、普通のベージュではなくサンドベージュ |
濃色 | 黒より紺、茶(バーガンディ)、小豆色 |
暖色 | ピンク(淡いくすみピンクを選ぶときは青みが入っているもの)、赤、ラベンダー、パープル、ローズピンク、小豆色、レモンイエロー |
寒色 | 水色、青、濃い緑、薄いカーキ(緑) |
ほか | ボーダー、ストライプ |
NG色…原色緑・黄色、カーキ、くすみカラー全般、ぼんやりした色も×
明るい色を使う
無敵なのは、レフ効果もある白や淡いグレーだ。
くすんでいる顔もキラキラシャイニーな雰囲気になる。
濃い目の色を使うときは、白シャツをチラ見セするなどで、明るさを足している。
どうしても全体がダークになってしまったら、アクセサリーだけでも「白」を入れる。
年を重ねると、「白」が強い味方になる。
特に私のような「骨格ナチュラル」の人は「ざっくり」が一つのキーワードになっているかもしれないが、年齢を重ねると、やはり多少の「つや感」「とろみ感」がある方が大人の自然な色気を出せる。
また、ピンクや赤は人間の肌色にも近く、ちょっとコーデに加えるだけで「おしゃれな人」の雰囲気を作り出されるので、赤のカーデなどを持っておくとアクセントにもなり、とても役立つ。
骨格を参考程度に知っておこう
骨格診断では、骨格を3パターンに分け、各骨格に似合う服を提唱している。
それによると、私は「ナチュラル」であり、実際「確かにそうだ」と思うことも多いのだが、年齢や顔の印象などで必ずしもすべてが当てはまるとは思えないので(経験上)、ちょっとした参考程度にとどめておいた方が良い気がする。