「夢を持とう」「将来の夢は何?」
というフレーズ、子供の頃から聞かされていた気がする。
だから、具体的に「○○になりたい」「○○したい」ということを、あえて考えなくてはいけないと思ってしまう。
若いのだから、何にだってなれる、何でもできる、可能性がある…そう言われ続け、「可能性」という名の惑いと、「夢」という名の幻の中で、悩み苦しんでいた。
具体的な夢を描いては、それらを数えきれないほど削ってきたし、その都度後悔したり泣いたり苦しんだり絶望したりした。
そんな風に大真面目にストレートに「夢」という言葉を受け止めてしまうと、何だか高尚な、意識高いような風に感じてしまうが、果たして夢とはそこまで「なんかすごい」ことなのだろうか。
夢とは何? 夢を持つ必要はある?
その答えを導きだしてみた。
夢とは「将来なりたいもの」?
夢と夢をかなえた人の素敵なストーリー
若い時には「夢はパイロット」とか「○○大学に合格する」「素敵なお嫁さん」「安定した生活」といった、遠い未来の漠然とした、そして人生を大きく決定づけるような夢を描く。
また、長く専業主婦として家事や育児に追われている女性がいるとする。
彼女の夢はフラワーアレンジメントを習うこと。ある時から勉強を始めて、フラワーアレンジメントの技術を身につけた。そして、技術をさらに磨いて、フラワーアレンジメントの先生になった、というサクセスストーリー。
それは、多くの人が思い描く「夢」と「夢をかなえた人」のお話だ。
夢は遠い未来のことでなくてもよい
つまりは夢は、将来なりたい自分の姿のこと?
将来、手に入れたい何かのこと?
いや、別に「将来」である必要はないと思う。
将来が「いつ」なのかは人それぞれだが、「遠い日のいつか」ではなくてもよい。
1週間後、明日、なんなら1時間後に叶えたいことがあれば、それも夢。
突然、「コンビニに行ってジャイアントコーンを買おう!」と思い付き、出かける支度をしてコンビニでそれを手に入れるまでの「わくわく感」、そのわくわくした気持ちを大切にできたら、ジャイアントコーンも素敵な「夢」の一つだ、と思う。
夢とは「素晴らしいもの」?
素晴らしい夢と夢をかなえた人のストーリー
大人になっても、職業や進学や結婚や生活の夢を描くのは素敵だ。
実際に何歳になっても「夢に向かってチャレンジ」している人もいる。
パイロット、フラワーアレンジメントの先生、翻訳家に役者…すごいなあ。
うんうん、すごい!
些細なことも夢
けれど…夢とは「素晴らしいもの?」
夢はでっかく持つもの? パパが言うから?
人並みでいいのだと思うもの? ママが言うから?
でも、僕は僕…(元ネタは、50代の人ならわかるのでは?)
夢とは、何かしら立派で高尚なもの?
いや、別に仕事や「ユーキャンの講座一覧」に載っているようなものだけが夢ではない。
ジャイアントコーンを食べる、でもいいじゃないか。
「やりたいこと」であれば、それが夢。
ただし、本能とか惰性とかで何となく食べるのでなく、心から楽しみにしてわくわくして食べる。
そうすれば、ジャイアントコーンの時間はとてつもなく楽しい。
夢とは「挑戦するもの」?
新しい何かが夢ではない
やりたいこととは?
まだやったことのないこと? 新しい仕事? 新しい学び? 新しい出会い?
いや、別に「新しい」必要はない。
今、自分が楽しみにしていること、やってみたいことはすべて楽しい夢。
まあ、たまにはジャイアントコーン以外のアイスに挑戦してみるのもよいが。
意外と毛嫌いしていたはずのものが、実は自分の好みだったりすることもある。
ちょっとした挑戦は、ドキドキわくわくさせてくれる。
やりたいこと、やってみたいことはすべて夢
夢を持つこと、そしてそれをかなえていくこと、これをやれば毎日は本当に楽しくなり、自分の人生となっていく。
「やりたいこと」「やってみたいこと」があれば、それはすべて夢といってよい、と思う。
大きな夢、小さな目標、明日には叶えられそうなわくわくすること、いつかは挑戦したい壮大なこと、何でもよい。
過去でも今でもない、未だ来ない時間の自分を思い描くことは、とても楽しいこと。
大きな夢を持つのもよいし、毎日を幸せにするための「ちっちゃな夢」をたくさん作ってもよい。
例えば「お金持ちになる」「好きな仕事をする」「英語が話せるように」「日本一周旅行」「何かの資格」といった夢もよいが、「リビングにお花のあるような暮らし」とか「ペットとカフェなんかに行ったりする生活」なんかの、日々の暮らしのクオリティをあげるような夢でもいい。
「今年はたくさん本を読む」「ダイエットをする」とかの、夢というより目標でもいいと思う。
「明日の朝、おいしいパンを食べる」とか、そんな夢でも素敵だ。
そうすれば…夢だけで生きていける、少なくとも日々が夢でいっぱいになる、かもしれない。
私の夢を思い描いてみた
例えば「○○が欲しい」とか「○○に行きたい」という「やりたいこと」もいいけれど、どんなふうに人生を過ごしていきたいのか考えてみると、「のんびり暮らす」ことなのだと思う。
かわいいペットと過ごしたり、おいしいものを食べたりしながら、本を読んだり映画を見たりものを書いたり。時には俗世間(日常生活)から離れて、新しい体験をしたり。季節の移り変わりを感じたり。
若い頃には「刺激」が「やりたいこと」だったと思う。海外旅行に行ったり、スキューバダイビングとか乗馬とか気球に乗るとかあらゆる体験をしたり。
だが、年齢を重ねて、それは本当にやりたい生活なのか、やりたいことなのかと自問することが増えてきた。
今、ペットを迎えて二人でリビングでゆったりとした時間を過ごしていると、刺激だのなんだのなんて必要ないと思えてくる。
この先、そんな考えそのものも変化するかもしれないが、今の自分はのんびりしながら時々刺激的なことに触れる、といった時間を過ごすのが、ちょうどいい。