本サイトについて
このサイトでは、福岡に暮らす筆者が、自由気ままに福岡についてまとめたものです。筆者は歴史や考古学の専門家ではありません。あくまで一般人としての視点で執筆しています。
筆者は、福岡市在住なので、本サイトでは福岡市の情報が多くなっています。奇しくも市と県の名前は同じなので、「福岡市」と「福岡県」の区別を曖昧にしたまま記述している部分もあります。「福岡は海が近い」というのは「福岡市」のつもりで書いていますが、「福岡出身の芸能人は多い」といえば「福岡県」のことを指していたりします。アバウトな箇所もありますが、ご了承ください。
まずは、福岡のキャッチフレーズ…って?
都会と田舎が同居している?
福岡には、「古都京都」「美ら海沖縄」「火の国熊本」「首都東京」みたいな「コレ!」といったキャッチフレーズが思い浮かびません。
福岡のイメージとしては、明太子、ホークス、太宰府天満宮といったところでしょうか。
けれど、それは福岡のほんの一部。金印に始める古代から、菅原道真、元寇、空海……と歴史の足跡はあっちこっちに残っているし、海も山も身近で風景が魅力的、ごはんは美味しいし、ショッピングや数々のエンターテイメントも楽しめる。
では、これをひとことで表現しようとすると?
何でもあるけれど突出したものがあるわけではなく、平凡でつまらないのかというとそうでもない。意外と個性的なのに、ちまちまとしていていて、なんだか器用貧乏な感じ。
福岡を表現する言葉って何なのでしょう。
はっきりとしたキャッチフレーズではありませんが、福岡を表現するフレーズとして「都会と田舎が同居している」と言われることがあります。芸能人などがキャンペーンに来て「福岡の印象は?」と聞かれると、多くの人がこう回答します。もしかして「福岡でインタビューを受けるときのマニュアル」が存在するのでしょうか?
マニュアルの存在については知りませんが、これはある意味で模範回答だと思います。「都会と言うほど都会ではないし、だからと言ってそこまで田舎ではない」というのが、ざっくりとした福岡の印象なのでしょう。
福岡が都会な理由と田舎な理由
福岡が「都会」な理由を手っ取り早く考えると、まずはそこそこ人口が多いこと(県の人口は500万以上、全国で8位)。人口が増えると税収も増え、建物が建ち店ができ、賑わいが生まれて街が大きくなっていきます。街が大きくなると、各地からレジャーや仕事で人が集まり、さらに街が賑やかに……という単純な仕組みで都会は生まれます。
とりあえず、ざっくりとした定義でよければ、都会であるための基準を福岡はクリアしていると言えます。筆者はいくつかの国の首都や主要都市を訪れたことがありますが、クアラルンプール、シドニー、トロント、バンコクなどの都市と比べても、福岡は劣っていないように見えます。

都市部を離れると、田舎らしい海や山もあります。農業就業人口や生産額も全国平均を上回っているし、田んぼや漁港などの「ありがちな日本の田舎の光景」も存在しています。

「都会」も「田舎」も線引きが曖昧すぎて定義が難しいのですが、福岡を都会だと感じる人と田舎だと感じる人の両方が存在し、実際に都会的な面と田舎的な面の両方があるのは事実。これを上手に表現したらやっぱり「都会と田舎が同居している」になるのでしょう。
といっても、都会と田舎が同居する街は、日本のあちこちにあるような気がします。福岡は数多くの地方都市に比べると、「都会要素」が意外と多いので、その振れ幅をより強く感じられるのかもしれません。
(福岡のイメージとして「女性がおしゃれできれい」という回答も多いですが、そこに筆者(私)が含まれていまるかどうかはナゾ……)。
福岡は「破壊と再生の土地」
福岡のキャッチフレーズは、ちょっとわかりにくいのですが、ここで、このサイト上でのキャッチフレーズを決めてみたいと思います。
それは、ずばり…
「破壊と再生の土地!」
福岡は、古くから何度も破壊されては、そこから立ち上がり、再生していく、ということを繰り返してきました。
大陸(中国や朝鮮半島)に近いことから国防の矢面に立たされたり、都(京)からは勢力が拡大しないよう押さえつけられたり、幾たびもの戦乱に巻き込まれたり……。
自ら滅びたというよりは、巻き込まれてしまった感じが強い気がします。
福岡人は「新しもの好き?」 そのワケは…
福岡の人々は「新しもの好き」と言われることもあります。古い歴史や文化には目もくれず、次々と登場する最先端のものや都会から発信される流行に飛びつく、といった傾向があるようです。
それはもしかしたら、福岡の持つ「破壊と再生」の精神のためかもしれません。
この文章を書いているのは2025年、福岡は「ビックバン」と称される再開発の真っ最中です。次々に新しいビルが建てられ、街の姿は変わっていきます。新しいビルが建つということは古いビルが壊されるということ。学生時代に訪れた場所が、思い出が、もろくも失われていきます。

けれど、それは今に始まったことではありません。人の一生分などではとても足りない、何世代つないでもまだ足りぬ、長い長い年月の中で、土地の形も人々の生活も、時代に翻弄され、破壊されては再生されていきました。
福岡は、日本で最も古い「文字で記録が残っている場所」で、様々な歴史を持つ土地ですが、破壊と再生を繰り返してきたため、「目に見える」形で残っているものは多くはありません。
それでも、この土地は深い歴史の層で作られているのは事実。
目を閉じて風を感じ光を浴びてみます。山、海、風、光、闇、太陽、月…古代と今をつなぐものは今も確かに存在しています。
過去の人が作り、未来の人へとつないでいく時間を、今を生きる自分が確かに感じていたい、そう思って福岡をもっと知るために、勉強しているのです。

福岡のあれこれ
古墳、神社、寺の数とは
福岡は、意外と神社やお寺の数が多い土地です。
- 神社の数
- 日本全国では88,000社、福岡は3800社(資料により諸説あるが、新潟、愛知に次いで全国第3位)
- お寺の数
- 日本全体では77,000寺院、福岡では2370寺院で全国10位。
- 古墳の数
- 日本全国では約16万基(消滅したもの含め)、福岡は10700基(全国第7位)
ちなみに福岡県の広さは4,987平方キロメートルで、全国29位とそれほど広くないので、土地の大きさと比較しても、やはり寺社等は多いと言えます。
春を告げる、福岡の木と鳥と花
ついでなので、福岡の県木、県鳥、県花も知っておきましょう。これらは「春」を代表するものがほとんどで、そこそこ温暖な福岡の土地にぴったりだと思います。(勘違いしている人も多いですが、福岡は日本海側なので、冬はそれなりに寒いため「そこそこ温暖」なのです)。
県木は「つつじ」
5月頃、舗道をスイートな色と香りで彩るつつじは美しいですが、つつじは木というより花に近いような……。昭和41年の「みどりのニッポン全国運動」で決まったそう。
県鳥は「うぐいす」
ホーホケキョの鳴き声は、春の訪れを優しく教えてくれます。落ち着いたグリーンの羽にも和みます。昭和39年、公募によって県が決めたそう。
県花「うめ」
正直なところ、木や鳥は半ば強引に決められた感もあって、しかもどちらも春のシンボルだからそれ以外の季節には影が薄いのですが、梅だけは別。梅も春の花ですが、「飛び梅国体」などイベントに使われたり、みんなが好きな「梅が枝餅」というお菓子もあることから、福岡人にとって一番なじみ深い植物だと思います。
梅が県花に選ばれた理由は、菅原道真が太宰府に左遷されたとき
「東風ふかば においおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春なわすれそ」
と歌を詠んだところ、道真を慕った梅が一晩で京から太宰府まで飛んできたという「飛梅伝説」から。

ちなみに福岡市も見ておきましょう。
市の木はクロガネモチ、花はフヨウ(夏)とサザンカ(冬)、鳥はホオジロ(野山の鳥)と、ユリカモメ(海の鳥)です。
普段、それほど意識しているわけではないですが、ユリカモメは意識せずとも目に入ってきます。海が近い福岡市では、カモメたちが川辺や公園で日常的に見られる。杭の上などにカモメたちが並んで休んでいる姿はかわいらしいのです。
著者のこと
最後に筆者の紹介を。
筆者は福岡で生まれ、現在も住んでいますが、人生の中で様々なターニングポイントを通過するタイミングで、住処を変えてきました。小学校3年から高校まで他県(神奈川、鹿児島)で暮らし、その後再び福岡に戻り、広島に住んだことも。
といった、個人的な話はさておき、長く福岡に住んでいるのは事実。とはいえ福岡を知り尽くしているとはとても言えません。
福岡で生まれたけれど、ずっと福岡で生きていたわけではない。だからこそ、主観的かつ、少し客観的に福岡を眺めています。
著作権と引用について
本ブログの著作権は筆者に帰属します。引用や転載はご自由にどうぞ。ただし、トラブル発生時の責任は負えませんのでご了承ください。
